初出:2015/10/06 Vol.140 LEDライトの選び方 前編
初出:2015/10/13 Vol.141 LEDライトの選び方 後編
改稿:2024/08/08
LEDライト使ってますか?
夜の散歩などの普段使いから、防災、探検に至るまで、省電力と高照度のLEDライトは便利なシロモノです。
最近ではめっきり見かけなくなりましたが、前時代的な、単1電池を入れて豆電球で照らす懐中電灯が、普段使わないせいで放置されたまま・・・というのであれば、いざという時のためにも LEDライトに更新することをオススメします。裸電球に比べ圧倒的省エネルギーでとても明るい携帯LEDライト、1、2本家にあるだけで頼りになります。
また、カバンに1本入れていると、地震などの大災害にいつ巻き込まれるか分からない昨今、生存可能性に歴然とした差が出ます。
スマホにライトが付いてるじゃないかと思う人もいるかと思いますが、近年のスマホのLEDはフラッシュを兼ねるため高照度化が進んだおかげでまぁまぁな電池食いです。
目の前を最低限照らすだけでよい状況で、命綱となるスマホの電池を消耗するのは得策ではありません。
LEDライトのおすすめ価格帯
そんなLEDライトも数多のメーカーがあり、どれを選んだものやらという感じです。100円から数千円、数万円のものまで、値段もバラバラ、どのあたりの価格帯を買えばいいのでしょうか?
結論から言うと、3千円〜5千円くらいのモデルを買うのが良いでしょう。
このクラスだと、ケーシングが金属製で経年劣化に強く、放熱面でも安心感があり、また持ち運びやすいサイズであることが多いです。
まず千円以下のモノは高照度といっても、砲弾型 LEDを並べただけのもので、粗悪なものが多いです。大抵の場合、使い始めて1ヶ月以内に何個かのLEDが死にはじめ、チカチカと接触不良のような点滅をしたり、ひどいものでは、熱を帯びて中の回路が切れてそのままご臨終というモデルも未だに存在します。
安物は本体がプラ製で水分が中に入りやすく、回路自体がサビていつの間にか腐っているというのもよくあります。
電池の種類は?
次に電池です。単3電池2本で動くモノと、単4電池3本を電池ホルダーに入れてから使うものが主流でしたが、近年は充電式リチウム電池のものが増えています。
普段から充電して、夜の散歩や帰宅時に使っているのであれば良いのですが、災害用、防災用と考えると、いざという時まで、使わないことが多いでしょう。
よって、防災用の場合、充電池タイプは最悪電池がダメになっているまであるので、オススメできません。
またリチウムポリマー電池の多くが衝撃や熱にさらされると痛むので、防災用としてはかなり微妙です。なので、自分は汎用電池で動くモノをオススメしたいです。
また電池関連では、購入後気をつけて欲しいのが電池をいれるケースがギリギリではないか。びっくりするくらい単三電池がシンデレラフィットで入れるときにムニューっと抵抗を感じるとかいうケースはハズレです。万一電池に不具合があって電池が膨張したときに取り出し不能になってゴミと化します。
個人的な好みでは、単3タイプがオススメです。というのも単4型のものは、電池ボックスに電池を詰めて本体に戻さないといけない反面、単3電池の場合は、本体を開けてストンと取り出して入れ替えるだけ、多くの商品が単3、2本式なので買い置いた電池も大半が4本入りですから、無駄が出にくいのです。
また、単4だと単4電池3本という新品を入れると1本余り、これが地味に溜まっていって使いにくいというのもあり、自分は単3電池式をオススメするわけです。
大きく照らすものは単二の二、三本で動くものがオススメです。
明るさはどのくらい?
続いて、明るさです。ルーメンという明るさの光の強さを示す単位があるのですが、近年のLEDの高性能化においてあまり大きく問題ではなくなっている場合が多いです。
単3、単2電池で動くものは、充電式リチウム電池のものより、駆動時間も明るさも上なのですが、先の理由で防災用としてはオススメしません。
ここ10年くらいのLEDの性能アップのおかげで、だいたい小型のものでも2〜3m先を十分に照らして数時間程度は駆動可能なものが多くなっています。単4電池1本で数時間動くというものであれば、十分鞄の奥に防災用に入れて置いて損はありません。
防災用という観点では、水につけると電池が活性化して動き出すというタイプのものは、災害時に頼りになるかもしれません。泥水や唾液でも動くので安心です。
その他のポイント
加えて大事なのが「点滅モードの有無」です。
多くのLEDライトに、ピカピカと点滅を繰り返して目眩がしそうになるモードが実装されています。点滅機能、ストロボ機能などと呼ばれ、これは消費電力量が減るために長く、そして目立つために事故防止に・・・というものなのですが、ピカピカとうっとおしいことこの上ないので、自転車にでも搭載しない限り不要です。
しかも大半の商品において、この点滅モードが誤作動で入る(温度変化での電圧変化でスイッチが入る、接触不良で勝手に入る)ことが多く、普通点灯に戻すために、何度もカチカチしなくてはいけないという呪いにかかる可能性が濃厚です。
点滅モードは個人的にはダメゼッタイです。
ヘルドクターおすすめのLEDライト
様々なメーカーがありますが、最初に述べた通り、3〜5千円ランクで選べば、一般的な用途では十分なものが大半です。個人的には生活防水が付いており、100ルーメン以上で、単3電池2本で動くもの・・・をおすすめします。
充電式リチウムポリマー電池型のものは、パワフルでUSBで充電できたり良さそうなのですが、だいたい肝心な時に電池切れを起こしていて役に立たないことが多いのでオススメしません。
また、初期不良も相応にあるので、購入したらまずは10分〜30分付けっぱなしにしてみて様子をみておいたほうが良いです。
ノーブランドものでもお得かどうかは、その場で評判を検索してみて、先人の知見を参考にしてもいいかもしれません。
個人的に、今までの条件に合致してて手頃だと思うものを以下にご紹介しておきます。
結局数千円するモデルでも、故障するときは故障するので、何本か買い足して、あらゆる部屋に備えてあり、またカバンにも必ず1本は入れています。
使う電池はリチウム乾電池が良い
LEDライトに使用する電池は、リチウム乾電池がおすすめです。
リチウム乾電池はリチウムポリマーとは違い、使いきり電池で、液漏れをまず起こさない点が優れています。また長期保存に強いため、災害時まで保管しておいても使えることが多いという利点があります。
ボタン電池がよく知られていますが、乾電池タイプも割高に見えますが売られています。持ちもパワーも申し分ないので、非常時に備えるには最適な電池です。
著者紹介
作家、科学監修。「科学は楽しい!」を広めるため科学書分野で20年以上活動。著作「アリエナイ理科」シリーズ累計50万部突破。原作を務めるコミックス「科学はすべてを解決する!!」も50万部を超える。著作「アリエナクナイ科学ノ教科書」が第49回・星雲賞ノンフィクション部門を受賞。週刊少年ジャンプ連載「Dr.STONE」においては漫画/アニメ共に科学監修を担当。TV番組「世界一受けたい授業」「笑神様は突然に・・・」NHK「沼にハマってきいてみた」等に出演。ゲーム実況者集団「主役は我々だ!」と100万再生を超えるYouTube科学動画を多数共同製作。独自YouTubeチャンネル「科学はすべてを解決する!」チャンネル約30万登録やTwitterフォロワー16万人以上。教育系クリエイターとして注目されている。関連情報は https://twitter.com/reraku
「アリエナイ毒性学事典」好評発売中です!
「アリエナクナイ科学ノ教科書2」好評発売中です!
新刊「マンガでわかる! 今日からドヤれる科学リテラシー講座 教えて!夜子先生」好評発売中です!
宣伝
ニコニコ動画にて有料チャンネル「科学はすべてを解決する!! ニコニコ秘密基地」を開設しました!
「アリエナイ理科式世界征服マニュアル」が改訂版となって新発売されます!
「アリエナイ医学事典2」好評発売中です!
「アリエナイ医学事典 改訂版」好評発売中です!
「アリエナイ理科ノ大事典3」、好評発売中です!
くられ先生の単著「アリエナイ毒性学事典」好評発売中です!
工作系に特化した「アリエナイ工作事典」好評発売中です!
「アリエナイ理科ノ大事典」改訂版が発売中です!
「アリエナイ理科ノ大事典2」、好評発売中です。