初出:2014/04/22 Vol.64 シミ取りハイドロキノンクリームの使い方
改稿:2020/01/19
本日はシミ取り用の美白クリームの話である!
・・・なんかそれだけ聞くと詐欺広告っぽいですよ、先生。
うむ(笑)。しかし、皮膚科のシミ取り治療でも使われているクリームがあるんじゃよ。刺激が強いんで気をつけて使わないといけないし、効果を実感するのには数ヶ月単位の時間が必要になるけどね。
まあ、短期間でシミが綺麗にとか、そういう都合のいい話はありませんよね。
塗るだけでみるみるうちにシミが取れるなら世の美容外科でこぞって使われるわ(笑)
おっしゃる通りで・・・ところで、あからさまに自作っぽいそのクリームはなんですか?
クリームの原料は工業用途で使われて安く手に入るのでな。実は自作できるんだよね(塗り塗り)
いやあの、先生? これピンポイントで使うものじゃないんですか? 人の顔に塗りたくらないでください、痛い、痛いですよ!?
美白効果のある美容クリーム
「この美白クリームを使えばみるみるうちにシミが取れてきめ細かく美しい肌に!」
なんていうと、胡散臭いぼったくり美容品の広告みたいですね。こんな大袈裟な物言いは誇大広告もいいところですが、しかし、ちゃんと効果のあるシミ取りクリームというものもあります。
それが、皮膚科でもシミ取り治療に使われていることもある「ハイドロキノンクリーム」です。保険外治療という奴ですが、レーザー治療と併用されることもあります。
もっとも、よくある詐欺広告の「二週間で効果アリ!」みたいな都合の良い話ではなく、数ヶ月単位の時間が必要となりますが・・・この辺、本格的なシミ取り治療を考えているなら、皮膚科で医師とよく相談した上で治療を受けるべきです。
そうしたことを踏まえていただいた上で、今回はこの「ハイドロキノンクリーム」について触れていきましょう。
ハイドロキノンクリームとは?
ハイドロキノンとは古い言い回しで、化学的には今はヒドロキノンと言います。
化粧品界隈では何故か古い言い回しで通っていてハイドロキノンと今でも呼ばれますが、美白クリームとして効果が高く、ニキビ跡の色素沈着など、シミ取り用途で2%から5%くらいまでの幅で医薬部外品として売られています。
低配合から高配合、量なんかも含めてピンキリではあるものの、ほんのちょっとで結構良いお値段のするこのクリーム。実はメインのヒドロキノンは工業的な用途で色々使われている薬品なので、安価に手に入ります。
このため、拙著「アリエナイ理科ノ大事典」では、この美白クリームの自作方法について触れています。具体的な作り方は本を読んでネ!
と、露骨マーケティングはさておきまして。今回は紙面の都合で触れられなかった、ハイドロキノンクリームの具体的な使い方についてご紹介しようと思います。
ハイドロキノンクリームの使い方
まず、塗る時間に注目しましょう。基本的にはいつでもいいのですが、夜、風呂上がり、ないしは寝る前に塗るのが理想的とされています。
たっぷりと塗るのではなく、シミに対してポイント的にちょっとずつ塗る、というのが正しい使い方です。
使い方の注意書きにもだいたい書かれているはずですが、刺激が強いクリームなので、間違っても顔全体に塗ったりしてはいけません。
効果がある分、副作用もあるので、肌に赤みが生じたりすることもあるので、本格的に使用する前にひどい副作用がでないかどうか、パッチテストを行うと良いでしょう。
また、使用後は紫外線に弱くなります。このため、夜寝る前に付けるように、とされているわけですね。
注意点と、ある裏技的な使い方(非推奨)
なお、絞り出して使うタイプならともかく、クリーム入れに入っている場合は、間違っても指を入れてはいけません。
後述しますが、ただでさえ劣化しやすいハイドロキノンクリームの劣化が促進されます。ピンポイントで使うものでもあるので、綿棒などで取ってシミに付けるようにしましょう。
ちなみに、このハイドロキノンクリーム、乳首などの脱色にも使われているそうです。
その場合は2、3%くらいのものをたっぷりと塗りつけるそうです・・・がしかし、だいぶ痛いらしい。さっきも触れた通り、刺激の強いクリームなので、そりゃ痛い。
もちろん推奨された使い方ではないので、炎症を起こすこともあり、自己責任にしても注意を要する訳ですが、効果は高いらしく、裸を商売にしている人達の間ではけっこう愛用されているとか・・・。
保存方法と劣化の見極め
さてこのハイドロキノンクリームですが、端的に言うとあまり長持ちはしません。
メインの成分のヒドロキノンは反応性の高い還元剤です。それすなわち、自然分解性も高いということになります。
市販のクリームは安定剤などで常温でも持たせるようにはなっていますが、それでも、冷蔵庫に入れておけば使用期限はおよそ1.5倍ほどに延びます。もちろん品質保証の対象外ではありますが。
この辺、劣化具合の見極めは、クリームの色を確認しましょう。使っているうちに黒ずんできたら劣化していると考えて良いです。このため、こまめに買ってこまめに塗り、こまめに買い換える・・・というのが正解です。
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