初出:2018/11/20 Vol.303 使い捨てライターから有用部品を取り出す
機械王の休日、第22回をお送りします。今回は格安で売られている使い捨てライターの話。身近にあるものですが、意外に精密に作られているとか・・・機械王にかかればすべて素材であります。
使い捨てライターの部品
100円均一で3個から4個ほどがセットになった格安ライター。何の変哲もありませんが、この使い捨てライターは液化ブタンを封入して安全に取り出せるようにされた装置です。これで案外、ガス漏れや、急に火力がアップしたりしないよう、安全に配慮して作られております。
従って、安い割に中には超精密な部品が利用されています。ひょっとしたら、他の工作に流用・改造できるかもしれませんね。さっそく、どのような部品が使われているか、詳しく見ていきましょう。
とりあえず全部バラす
使い捨てライターにも電子着火式とヤスリ着火式がありますが、今回はヤスリ着火式をとりあえず分解します。
どのライターを分解しても同じような構造をしており、形状的には完全に改良され尽くした最終形態とも言えるでしょう。大量生産品であるためか、部品を共通して利用できるタイプもあります。
バルブに注目する
中に精密なOリングやバネが入っているバルブをさらに分解してみましょう。底の部分をペンチでつまみ引っ張ると取り外せます。
このように分解できました。物差しを見ればサイズ感がわかるでしょうか。どれもミリ単位の小さな部品です。
具体的な用途を考えてみる
さて、分解が終わったところで、それぞれの部品の用途を考えてみましょう。
バネ類
使い捨てライターには小さなバネが必ず二つ使われています。一つが発火合金を回転ヤスリに押しつけるためのバネで、こちらは最初に分解した時にある長めのもの。大きなストロークを必要とする用途に使えそうです。
もう一つは、バルブ部分に内蔵されているバネです。こちらはとても小さく、小型の逆止弁などを作るのに向いているでしょう。
Oリング類
ガスのバルブ部分には他にも、極小のOリングが二つと、小さなゴム栓のような部品が使われています。Oリングは内径が2mm程度。これは極小のガス流用制御装置などに使えそうです。素材は不明ですが恐らく一般的な合成ゴムであるNBRであると思われます。
ちなみに通販されているOリングのセットなどを見ても詰め合わせが一般的で(それはそれで使い出がありますが)、内径2mmの品を見ても、他の部品が取れることも踏まえて100均ライターのコスパは非常に良いと言えます。
これらの素材を使って具体的に何を作るのか・・・それは今後のお楽しみにしておきましょう!