初出:2014/07/22 Vol.77 ブルーカレーの作り方
改稿:2024/03/11
今日のご飯はカレーよ!
わぁい、カレー大好き! ・・・このカレー超青いけど。ご飯ピンクだし。
ほら、暗くしてUVライトで照らすと光るぞー!
超インスタ映えしますね!
・・・・・・
・・・・・・
小芝居はやめて、普通に食べようか。味は美味しいし。
そうですね。味は本当に美味しいし。
なんだ、テンション低いぞ諸君。UVライトの出力が足りんと見えるな!
ちょっ、18650を何本・・・
バルス!
※高電圧には気を付けましょう。高出力のライトにも気を付けましょう。
ブルーカレーの歴史
フードが提供されるアリエナイ理科のイベントでは定番なのが、食欲を減退させる(笑)、エキセントリックな色合いの料理の数々です。
カラフルなネオンうどんや、真っ青に染まったブルーカレーなど、UVライトで照らすと光ったりします。
これら、アリエナイ理科フードメニューの発端が、2011年のニコニコ原宿で自分が企画した「食欲減退ブルーカレー」です。気が付けばレギュラーメニューになり、そして色々なところでもブルーカレーが提供されるようになりました。
イベントでも、そして「我々だ!」さんとのコラボ動画などでも話題にしたこの発端のブルーカレー、初期の頃から比べると、少しずつレシピがアップデートされています。UVライトで光るようになったりしたのも改良あっての事です。
という訳で、ここでは、このブルーカレーの具体的な作り方をご紹介していきましょう。
ちなみに色素の使い方については別立てで詳しい記事があるのでそちらを参照してください。
ブルーカレーの基本とコツ
基本はとてもシンプルで、ホワイトカレールーを使ってホワイトカレーを作り、そこに青色色素を入れるだけです。
初心者向け色素
プロ向け色素
ごく簡単ですが、しかし、綺麗な青色を出すためには、ある程度コツがいります。なかなかあんな絵の具みたいな青色にはならないので、試行錯誤があったりするのですよ、これで意外と(笑)
肝心なのは、ベースとなるカレーに余計な色が付かないようにする事です。白以外の色が付くと青色がどうしても濁ってしまうので、水の代わりに牛乳を使うなど、白くするための手間を惜しまないようにしましょう。
余計な色をつけないためのチェックポイント
まずは、余計な色を付けないためのチェックポイントに触れてみましょう。
- 肉は鶏肉にして炒めない
- 具のジャガイモやニンジンは別鍋で茹でる
- タマネギの代わりに粉末オニオンを使う
- 水の代わりに牛乳を使う
と、こんな感じです。具体的に作り方をご紹介していきましょう。
具体的な作り方
まずは鶏肉。湯がき汁をカレーのベースにします。細かく切った鶏肉を炒めずにそのまま煮込みましょう。炒めてしまうと、どうしても茶色っぽい色味が出てしまうので注意。
タマネギは味にコクを出したいので欲しいところですが、やはり炒めてしまうと色味が出てしまうので、ここは科学の力、GABANなどの粉末オニオンを適量入れる事で代替しましょう。
こうして、出来るだけ黄色みが付かないように出汁を取りつつ、牛乳を入れて煮込んだ後に、ホワイトカレールーを入れ、ベースカレーとします。
後は、しっかりと別茹でしたジャガイモや人参を混ぜ合わせ、ベースカレーに青色色素を入れて、色味を調整していきましょう。少量でも結構色が付くものなので、少しずつやった方が良いです。
UVライトで光らせたい場合は?
また、UVライトで照らして青く光らせたい場合は、トニックウォーターを少量入れればOKです。少しなら味に影響はありません。
なお、トニックウォーターにも光るものと光らないものがあるので、その点には気をつけましょう。「カナダドライ」「シュウェップス」は光る模様。
ご飯にも色づけをする
後は、ご飯にも食用色素で色を付けて盛れば完成です。青色にしてもいいですし、ご飯だけ赤色色素を使ってピンクに仕上げても良いと思います。
初心者向け色素
プロ向け色素
また、この手のものを光らせるのに使うUVライトは以下のものなんかがオススメ。
ぜひ、ブルーカレー作りにチャレンジしてみてください。やろうと思えば案外簡単です!
エレクトリカルうどんを振り返る
また、イベントフードといえば、青く光る「エレクトリカルうどん」を作ったこともあります。
罰ゲーム研究所の企画で改めて動画にしているので、まずはぜひ、ご覧ください。
なお動画でも触れていることですが、うどんを着色する場合は、茹でるお湯に少量の塩を入れておくのがコツ。浸透圧の作用で色が入りやすくなります。
トウモロコシのヒゲと芯を使って青く光らせることも可能
具材を着色料で煮込んで色付けしてもいるんですが、実はうどん本体をピカらせるのには「トウモロコシ」も使いました。
といっても実の部分ではなく、必要なのは実は蛍光色素が含まれているヒゲと芯。これを料理酒でひたすら煮込んで抽出、ろ過して、さらに色味を強化するために青色1号を加えた蛍光液を使ってうどんを煮る。
こうすることで、UVライトで蛍光する青いうどんが出来上がります。蛍光色素を抽出するのが結構大変で、うどん1人前あたりトウモロコシ5本分くらい煮詰めなきゃならないんですが・・・
さておき、この蛍光液は、もちろんブルーカレーの着色にも使えます。言うまでもなくトニックウォーターを使う方が楽ですが(笑)、トウモロコシから抽出してみるというのも良いんじゃないでしょうか。
青色料理のニューフェイス・全部真っ青な食欲減退刺身定食
罰ゲーム研究所の企画で、すべてが青い刺身定食が登場しました。こちらもぜひご覧ください!
2024 阿佐ヶ谷イベントの「ゲーミングおでん」
2024年3月10日に開催された「アリエナイ理科 迎春の実験室」 in 阿佐ヶ谷ロフトAでは、エメラルドグリーンを目指したカレーに加えて、大変ビビッドな発色をしている「ゲーミングおでん」がフードとして提供されました。
昼夜で色を変えていますが、いずれも発色がハッキリしているのがくられ先生のウデマエですね。
単純に一色で染めるのではなく、二段階で染めたり、蛍光色素を入れたりとかなり細かい調整の結果、これほどの色合いになったのだとか。
着色料で遊びたい方は、ぜひこのレベルを目指してみてください!
著者紹介
作家、科学監修。「科学は楽しい!」を広めるため科学書分野で20年以上活動。著作「アリエナイ理科」シリーズ累計50万部突破。原作を務めるコミックス「科学はすべてを解決する!!」も50万部を超える。著作「アリエナクナイ科学ノ教科書」が第49回・星雲賞ノンフィクション部門を受賞。週刊少年ジャンプ連載「Dr.STONE」においては漫画/アニメ共に科学監修を担当。TV番組「世界一受けたい授業」「笑神様は突然に・・・」NHK「沼にハマってきいてみた」等に出演。ゲーム実況者集団「主役は我々だ!」と100万再生を超えるYouTube科学動画を多数共同製作。独自YouTubeチャンネル「科学はすべてを解決する!」チャンネル約30万登録やTwitterフォロワー16万人以上。教育系クリエイターとして注目されている。関連情報は https://twitter.com/reraku
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