初出:2019/03/19 Vol.320 機械王の休日:ジクロロメタンをアクリル用接着剤に使う
今日は接着剤の話ですか・・・POKA先生、この試薬瓶の山は一体・・・
うむ。アクリル用の接着剤の中身は「ジクロロメタン」という試薬だからな!
なんかすごく甘い匂いがしますが・・・げほっ。そろそろ爆発オチは勘弁してください。
安心すると良い!残念ながらこいつは難燃性だ!
そうですか・・・にしても、量が多すぎませんか?
接着の他、シール剥がしに使ったりもするが、金属機械の油脂の洗浄に便利なのだ!
・・・・・・(ピクピク)
あと、吸い込み過ぎると麻酔作用があるぞ、気を付ける事だな!
※換気には気を付けましょう。マジで。
機械王の休日、第38回をお送りします。今回はアクリル用の接着剤について。普通に接着剤として調達すると割高になりますが、その中身である「ジクロロメタン」は、試薬として入手すると安上がりです。
アクリルの接着にはジクロロメタン
接着剤にもさまざまな種類があります。その中でも、アクリル樹脂用の接着剤は、ホームセンターなどで調達すると、ほんの数十ccほどしかなく、割高です。
が、しかし、この接着剤、中の成分は「ジクロロメタン」と呼ばれるものです。これは試薬として一般的に販売されており、そちらを買うと大幅に安上がりになります。
ジクロロメタンは通販などでも手に入ります。
調べたところ、Amazonでは割高だったので、MonotaROあたりで買うのがおすすめです。
取り扱い注意!ゴムには触れさせないようにしよう
このジクロロメタン、樹脂に対して強力な溶解作用を持っています。従って、取り扱いには注意が必要です。
接着剤として売られているものには専用の注射器などが付いていることもありますが、そういうものであればまだしも、ゴムが使われているもので吸い、ジクロロメタンに触れてしまうと膨潤してしまって良くないです。
このように、ピペットやスポイトのようなものに注射針を付けて吸い出すにしても、ジクロロメタンが直接ゴムに接触しないように取り扱いましょう。
アクリルの接着は平面同士
ジクロロメタンによるアクリルの接着は、その強力な溶解作用で表面を溶かして一体化させるというものです。このため、平面と平面の接着である必要があります。接着剤を使って盛ったりするような事は、ジクロロメタンではできません。
実際の接着の様子はこんな感じです。このように、平面と平面であれば、溶け合ってくっつくだけに、大変強力に接合する事ができます。
その他の利用方法と注意点
ジクロロメタンはかなり強力な溶剤なので、シール剥がしなどにも利用可能です。
色々と便利なのですが、しかし、体には毒です。蒸気は甘い香りがしますが、吸入するのは大変よろしくないので、取り扱う場合は換気の良いところで作業しましょう。
慢性的に吸い込むとガンになるかもしれんので、気を付ける事だな、諸君!
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