初出:2019/03/26 Vol.321 機械王の休日:刃物を研ぐ・メスの再研磨
(シャリ・・・シャリ・・・)
POKA先生、満面の笑みで刃物研ぎをしていると怖いんですが・・・
いや、刃物を研ぐのはとても楽しいだろう?
ええと・・・ところで、今日はメスを研いでるんですね。
うむ。医療用途では使い捨てなければならないが、加工に使う分には研ぎ直せば問題ないからな!
ああ、細かい加工に便利なんでしたね。
切れ味が落ちるのも早いのだが、よく切れるぞ!
機械王の休日、第40回をお送りします。実は刃物研ぎにも一家言を持つPOKA先生、今回は使い捨てのメスの研ぎ直しの話をお送りします。ごく短時間で元通りの切れ味に戻るとか・・・では、早速本編をどうぞ。
使い捨てメスを再研磨する
メスというとくられ先生のトレードマークとして大きなメスがあります。しかし、昔ながらのメスは今では珍しく、衛生的な観点から、医療用のメスはそのほとんどがディスポーザブル・・・つまり、使い捨てです。
しかし、最近では細かな加工に便利ということで、手芸店やホームセンターに、この使い捨てメスが置いてある事があります。メスの切れ味は鋭く、加工に使っても大変便利なツールなのです。
ただし、この医療用メスは、手術中に骨や歯などに刃先があたっても、刃こぼれして破片が出ないように比較的柔らかくなるように熱処理されてます。割れた破片が体内に飛び散ったりしたら大惨事なのでこのようになっている訳ですが、その関係ですぐに切れ味が落ちてしまうのが欠点です。
そこで、今回は切れなくなった使い捨てメスを研ぎ直してやる事にしましょう。医療用途では、昔ならいざ知らず、再研磨して使うのは駄目なのですが、それ以外の用途に使う分には問題ないでしょう。簡単に研ぐ事ができれば、長く使えて経済的です。
オイルストーンを使う
刃先が繊細な刃物の研磨はオイルストーンが便利です。
水砥石と違い、油を潤滑液として使って研ぎます。水砥石に比べると、オイルストーンは大変に硬く、簡単には平面が狂いません。天然のオイルストーンはアーカンサスストーンが有名で、人工の物よりもきめ細かい仕上がりとなります。
研いでみる
さっそく、アーカンサスストーンを使って、メスを再研磨してみましょう。
まずは表面を研ぎ、反対側にカエリが出てきたら、最後に刃の裏側を数回研げば、研ぎ終わりです。
使い捨てメスの刃先は繊細ながらも、先ほど触れた通り、柔らかく出来ています。このため、すぐに良く切れる刃が付くのが特徴です。作業時間としては慣れてくれば一分もかかりません。
これだけで新品同様の切れ味に戻ります。ただし、切れ味が落ちるのも早いので、マメに研いでやると良いでしょう。
刃物研ぎは良いぞ、諸君!
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