初出:2019/03/19 Vol.320 健康サプリの火付け役 クロレラとアガリクス
今日は健康食品の話ですか、先生。
うん、別に害がないならいいんだけど、中には飲むと健康を害するものもあるからね。カドミウムがたっぷりとか。
うわぁ・・・イタイイタイ病も真っ青ですね。
重金属程度では生ぬるい!やはりここはウランかプルトニウムだろう!イエローケーキをごちそうしてやろうではないか!
やめて!
健康食品や健康サプリといったものを、まるで万病に効く霊薬がごとくありがたがっている人達がいます。
これが、毒にも薬にもならないようなものならば、効かなくても害はないのでまだ良いのですが、中には明白な健康被害が出ることもあります。今回はその辺について触れていこうと思います。
クロレラと光線過敏症
一時はサプリメントの王様ばりの扱いを受け珍重されていたクロレラ。
最近は数ある商品に飲まれ、その愛好者や信者は減っているようですが、かつて全国に「クロレラ病」という光線過敏症を引き起こしました。
光線過敏症とは、光に当たった皮膚が焼けたただれる病気。その後の厚生省の調査の結果、クロレラに含まれる成分が確定的に原因であることが判明しています。
クロレラは、マルチビタミンのような栄養素を多く含みます。これは事実です。
しかし、クロレラは重金属が好きな藻類なので、培養水源にカドミウムや鉛が含まれていると効率よく濃縮してしまうのです。確かにミネラル満点だが、何が悲しくて金払って負けかゼロしかない博打をしなくてはならんのか。
汚染米以上のカドミウム濃度のアガリクス
そして、クロレラを凌ぐ熱狂的狂信者を持つサプリメントの大魔王ことアガリクス。
癌やエイズはもちろん、肩こりからアレルギー、水虫まで治してしまうというその奇跡の効能に数多くの老人達が大合唱・・・これが本当ならマジですごいのだが、世の中そんなに甘くはありません。
まずアガリクスと呼ばれるキノコ、ハラタケの仲間はカドミウムが大好きなキノコであり、その濃度は多いモノで10μg/g。イタイイタイ病の発病閾値であった、汚染米が0.2〜1μ/gだったことからも、米みたいにバクバク食べないにせよ毎日せっせと飲むものでは到底無いのは明白です。
またアメリカの研究論文では、発がん性や免疫低下、肝機能低下などがあることも報告されており、事実日本でも服用をやめたとたん症状が一斉に治まったなどという笑えない例も多いのです。
それでも「健康に良い」と信じ込んで、医者の言うことをまったく無視し、飲み続けるおじいちゃんもいます。勝手に死ぬのは自由だが、それを人にお勧めするのは過失致死になるぞ・・・。
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