初出:2019/07/30 Vol.339 機械王の休日:高耐熱接着剤を試す
これが無機系の耐熱接着剤だ!
へぇ〜、なんか普通の接着剤と違ってセメントみたいですね・・・
ほら、このようにどこのご家庭にもある自家製の炉の部品固定なんかに便利なのだ。
いや、どこの誤家庭ですか・・・
いやいや、どこのご家庭にも炉とテスラコイルくらいあるだろう。
ドラフトやエバポレータがあるキッチンとか別に何の変哲もないし。
これだから自宅を要塞化する連中は・・・いいですか、普通の家庭にあるのはサーバーくらいですよ!
機械王の休日、第58回をお送りします。本日は接着剤の話ですが、一般的なものの他に、高温環境下に耐えられる特殊な接着剤というものがあるとか。さっそく、POKA先生に解説していただきましょう。
高温に耐えられる高耐熱接着剤
接着剤。
工作をするにあたっての必需品で、いろいろな種類がありますが、一般的なもの、その大半の接着剤は、成分が有機系です。
有機系の接着剤が耐えられる限界温度は、せいぜいが300度程度。これでは、高温になる場所に使うにはいささか心許ないと言えます。
ここは、種類は少ないものの、無機系成分の使われた接着剤を試してみる事にしましょう。
今回はホームセンターで売られていたものをチョイスしました。1000度程度でも、ある程度の強度が確保できるので、あまり力が加わらず、簡単な固定程度で良い、という用途なら十分に使えるはずです。
平面や点ではなく、穴に向いている
無機系接着剤は、一般的に想像する有機系の接着剤とは大きく異なり、質感はセメントのようになっています。固まると石のようになり、曲げ強度はまったくと言っていいほどありません。
つまり、平面や点の接着に使っても、あっさりポキッといってしまう、ということです。まるで向いていません。このため、穴に流し込んだり、隙間を埋めたりするような用途に使いましょう。
加熱試験
というわけで、穴にネジを差し込む形で接着してみたので、色々とテストをしてみましょう。
まずは、何をさておいても、高耐熱である事のチェックです。ガスバーナーで赤熱するまで加熱をしてみました。
ガスバーナーで炙っていくと、若干、有機系の成分がもとであろう、焦げた臭いが少しの間しましたが、ひび割れたりといったダメージはないように見えます。表面が少し白っぽくなりました。
耐久試験
とりあえず、ガスバーナーの熱に負けるような事はなかったようですが、肝心の耐久力はどうなっているでしょうか。
これですぽんと抜けてしまうようでは、物の役に立ちません。ペンチで掴んで引っ張ってみました。
浮きました。
どうやら、半分に切った耐熱レンガを持ち上げても大丈夫な程度の強度はあるようです。このくらいの強度が確保できるのなら、自作の炉などで、治具やパーツを固定する箇所に使えるといって良いでしょう。
熱と炎はロマンだ。炉を自作しようではないか、諸君!
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