初出:2019/08/13 Vol.341 機械王の休日:チップのハンダ付けに便利な部品押さえを作る
ハぁイ、くらレせんセイだヨ。カがくはスベてをカイけつスル!
なんですかこのあからさまな偽物。実にロボロボしいですが・・・
いや、あまりに多忙なので身代わりロボを作って欲しいというオーダーでな。試作一号のメカくられだ。
キョエェェエエエ! カがくはスベてをカイけつスル!
あの、POKA先生、なんか暴れてるみたいなんですが・・・
おかしいな、安全装置は積んでいたはずなのだが・・・ん? ああ、そういえばさっき取り外して作業していたのを忘れていたな!
さっき記事の撮影に使ってた回路ってそんな大事な部品だったんですか!?
クッ、くらレっ、くレらっ、くレレっ、れララれレララららクルぽっぽーーーー!!(BOMB)
機械王の休日、第60回をお送りします。POKA先生は様々な工作を行っておりますが、その時々に応じて「こういうのがあると便利なんだよな」というものを、割と身近にあるものから作る事があります。今回もそんな、ちょっとした便利グッズの製作についての解説です。
チップ部品はハンダ付けがしにくい
小型化を追求した電子工作を行う場合、基板の穴に部品を通すのではなく、穴のない、印刷されたパターンにチップ部品を実装して回路を作ります。
普通に部品を通してハンダ付けをするのとは訳が違って、チップはとにかく小さいので、作業の難易度が大幅に上がります。
後で実際の作業時の写真でも見て頂ければわかると思いますが、なにぶん爪の先みたいな大きさなので、チマチマとした神経を使う作業になる訳です。
そのまま作業をしても、なかなか綺麗には仕上がりません。そこで今回は、作業がしやすいようにチップ部品を固定できる「チップ部品押さえ」という道具を作る事にしました。
ダイソーのピンセットを改造
部品を押さえるためにはバネのような構造が必要です。そこで、サイズと入手性とコストもろもろを考えて、例によって例のごとく、素材の宝庫、百円均一のダイソーでピンセットを調達してきました。
純粋な作業用のピンセットであれば、以前、別の記事で紹介した便利なものがありますが、今回は素材として使うのでダイソーのもので十分。安価で簡単に改造できるのが魅力です。
ではさっそく、改造の時間だ!
ピンセットを加工する
さて、ではピンセットをどのように改造するかというと、今回必要なのは基板とチップ部品を挟み込むようにして固定することですから、片側を適当に切り落として曲げてやれば良い。
このように、まず、ピンセットの片側を適当な位置で切断します。金工ヤスリで切れ目を入れてやれば良いでしょう。そして、ルーターで先端を少し尖らせて、小さい部品にフィットしやすいように加工します。
最後に、ペンチで先端を曲げてやれば完成です。
実際に使ってみる
では、早速、実際に使ってみましょう。
こんな感じで、チップ部品と基板を挟み込むようにしてホールドします。綺麗に並べるのが大変なチップ部品も、こうして固定さえしてしまえば、ハンダ付けの難易度はぐっと下がりました。
作業の難易度が高いなら、補助するための道具を作れば良い。電子工作はいいぞ、諸君!
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