初出:2019/08/20 Vol.342 機械王の休日:ダイソーのCOB LEDライトの回路を検証
あの、POKA先生、LEDライトの記事の話をさっきまでしてましたよね。
そうだな。100均はやはり素材の宝庫だ。限定的とはいえ、昇圧回路が手に入るとは・・・
いえあの、先生、なんで急にSANチェックが必要そうな回廊に迷い込んでいるのか、現状を説明して欲しいんですが。
まあ、このくらいよくある事だろう。ほら、このハイパワーなLEDライトで照らしてやれば道に迷う事もあるまい(ピカッ)
うっ・・・今なんかものすごくグロいのが居ましたよね・・・
あ、いたいた。ごめーん。ちょっと暗黒理科すごろくをいじってたら、なんか具現化しちゃってさぁ。
ああ、そういえばこの前、鉱石を発掘していたら何か変な箱があったが、あれと反応したのか。なかなか面白いではないか!
機械王の休日、第61回をお送りします。たびたび、100均のダイソーからあれこれと素材を見つけてくるPOKA先生ですが、しかし、それは時として「どこまで使えるか」「部品の信頼性はどの程度か」といった部分を、地道に検証した上での事でもあります。
今回見つけたのはあるLEDライト。実際の検証作業を見ていきましょう。
ダイソーの白色COB型LEDライト
ダイソーで、単四アルカリ電池一本で動く白色COB型のLEDライトが売られているのを見つけました。
COBとは「Chip On Board」の略で、アルミ基板上に直接LEDチップが実装されているタイプのもので、LEDライトといって想像する、あのつぶつぶ感がなく、発光効率が良くて明るいのが特徴です。
しかし、単四アルカリ電池一本では、1.5Vしか得られません。白色LEDを光らせるには3V以上は欲しいので、そのままでは動作不能のはず・・・つまり、小さいながらも中に昇圧回路が入っている事になります。
100円で昇圧回路が手に入るのなら、これはとても魅力的。さっそく、どのようなものが入っているのか、調べてみました。
LEDライトの分解
この手の小さいものにありがちですが、ネジ止めではなくはめ込みで固定されています。マイナスドライバーなどでこじる事で破壊・・・分解できました。
内部には、指先に乗るほどの小さな昇圧回路が入っています。小さなチョークコイルと、昇圧用のICと思われる部品など、数点での構成です。
では、この昇圧回路が実際どの程度まで動くものか、検証をしてみましょう。
昇圧回路の挙動
検証には、以前、USB充電器を調べた際にも使った、電源試験の必需品「電子負荷」という装置を用います。
また、この昇圧回路をただそのまま使うのだと、いささか動作が不安定なので、入力側と出力側、それぞれに電解コンデンサーを増設してのチェックとしました。
電子負荷に接続し、動作の検証開始です。
どうやら、5Vの定電圧レギュレーターのようだという事がわかりました。通常、LEDの駆動は定電流レギュレーターとなるのですが・・・どうにも、挙動としては怪しい感じです。
電子負荷を定電流モードで動作させて、負荷電流を変えながら具合を見てみると、100mAを越えたあたりで出力が不安定になってきました。
結局、100mA辺りで動作不能となるので、この付近で電流制限動作をしているようですね。電流リミッタがあるのかもしれません。しかし、そうと分かればその範囲での利用を考えるだけです。
こうした事を調べるのも、電子工作には必要な事である。地道な検証作業は大事だぞ、諸君!
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