初出:2018/10/30 Vol.300 ただのコラム
コミケ疲れたのじゃぁ〜〜〜・・・
お疲れ様です、先生。今回も大変だったみたいで・・・私は多すぎる人混みがダメなのでコミケは遠慮させてもらってるわけですが。
いや本当、余計なことをしてる余裕のない、地獄の戦場であった。
あったかくしていこうね、なんて話をしてたら、C97最終日は異例の暖かさだったみたいで・・・先生、相変わらず「持って」ますよね。
人を異常気象や天変地異を呼ぶ奴のように言わない(笑)
でも、以前、みんなで集まった時も、台風とか地震とか・・・
アレは怪人大集合で高エネルギーフィールドが形成された結果だよ、たぶん。自分のせいじゃない!
ま、それは良いとしまして・・・さて、くられ先生、忘年会のお時間です。みなさんお待ちなので、倒れる前にご挨拶をお願いしますね。
※忘年会は皆様、脳内のバーチャル会場でお楽しみください。
科学者としての自分の立ち位置
今回はなんにも役立つことを書きません! ただのコラムです。
まず先に言っておきますと、自分は科学者としては二流、三流です。
別に謙遜しているわけではありません。とはいえ卑下しているわけもありません。
科学というものは、理論を理解し、新たな仕組みを見いだし、それを制御し支配する、そうやって支配率を上げていくクエストです。
その解明すべき山の大きさは上ってみなければ分からず、人生をかけても登り切れないことが多々あります。科学とはそういった小さい山の連なりであり、分野なんてものも実は地続きですべてが繋がっています。
自分はそんな大きな山を乗り越える気力も、才能も、根気もない、どちらかというと、山を前に逃げ出した輩なので、二流、三流だと言うわけです。
とはいえ、無駄にあちこちの山(科学分野)を徘徊してきた経緯もあるので、どこどこの山では当たり前のことが、こちらの山では困難な問題である・・・といったことの解決の案内人になることはたまにあります。
それも卓越した人達の中では浅学非才な凡百凡夫であることを痛感する日々ですが、改める気は起きません(笑)。だって駄目なものは駄目なんだもん!
「アリエナイ理科」シリーズで伝えたかったこと
閑話休題。
ともあれ、自分がアリエナイ理科という一見不埒な本でも一貫して伝えたかったのは、科学というものには善悪なんてものは無いという話です。
これは別に冗談でも皮肉でもなく本気なのですが、じゃあそれを真面目に書いても誰も興味を持ってもらえませんので、可能な限り露悪的にやったろうやんけ! 的な感じで作られたという経緯がございます。
もちろん、そういうアレでソレなものに自分が興味が強くて大好きなのもあるんですが、そういうものを追い回した結果結果、基本の科学に戻ってきて、基礎はすべて同じ、むしろ基礎ができていないとワルいこともロクにできないという話に帰結しただけでした・・・それを伝えたかったのがア理科です。
ここ近年の著書振り返り
「アリエナクナイ科学ノ教科書」シリーズ
まぁそんなアリエナイ理科も2004年に始まって15年という歳月を経て、そろそろ終了か、というか物書き業もそろそろ廃業かな・・・と諦めて最後に・・・と作っていた本が「アリエナクナイ科学ノ教科書」です。
ひょんな事から「〇〇の主役は我々だ」さんとのコラボ動画に出演させていただくことになり、たぶん人気もそれほど出ないだろうけど数回程度なら・・・・ということで出させていただいたのがきっかけで、今の若い世代へ再度認知してもらえることとなりました。
結果、最後にする予定の拙著は想定外に売れ、自分にはもったいないまでの賞をいただくまでに。
その後、ディスカバリーチャンネルで同名の連載を持つことになり、つい先ごろ、続編「アリエナクナイ科学ノ教科書2」として本になりました。ディスカバリーで連載するとは本気で思いもしませんでした(笑)。
発売記念の書店イベント、トークショーが企画されてるので、その辺は順次、告知をお待ちくださいまし。
「アリエナイ理科ノ大事典」シリーズ
アリエナクナイが売れたので、アリエナイもワンチャンいけるかも!? ということで急遽企画されて出版されたのが「アリエナイ理科ノ大事典」でした。こちらもこの出版不況に売れまして、あれこれあったものの、現在では最初のものが改訂版として、そして「アリエナイ理科ノ大事典2」と、続編を出すことも叶いました。
毒物ずかん
そして、「毒物ずかん」はまさかの化学同人。化学同人さんでは、月刊化学で長らくお世話になっておりましたが、単行本を出す夢は叶わず・・・と思っていたら、叶いました。成仏できます。
いや、まだ「夜子先生」(トカナで現在連載中)が出る予定で、その後の企画もこっそり動いております。
科学監修のお仕事
また、少年週刊ジャンプで掲載されている「Dr. STONE」での科学監修も最初はちょっとしたお手伝いでしたが、次第にガッツリ設定を投げて頂けるようになって、おかげでかなり勉強しました(笑)。
科学史なんかじっくり考えることがなかったのですが、あの漫画のおかげで、それを再度振り返り、科学というものが、如何に先人の知見の途方も無い積み重ねによって成り立っているか、それを改めて振り返り、科学というものに一応人生を突っ込んできてヨカッタネェと「鬼滅の刃」のヒロイン禰豆子ちゃんのように思うのです。
お陰様でこのところ十数年ぶりにめっちゃ忙しく、はちゃめちゃに楽しく過ごしております。コラボ白衣も発売されたしな!! なんだかんだでいくつも白衣を出して、カラバリも大人気で頭が下がる思いであります。
もろもろ動いている企画もありますが、発表できるようになったら順次告知していくので、引き続きよろしきしき色即是空なのです。
関連記事
星雲賞受賞のご挨拶
「アリエナクナイ科学ノ教科書」記事抜粋
イベントレポートなど
サルファ剤の歴史と裏話
パクチーでコーラを作る