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コロナウイルスが話題の今、「病原体」とは何かを再確認しよう!

美容と健康
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初出:2020/02/14
改稿:2020/10/03

ウイルス、細菌、真菌、原虫、寄生虫・・・「病原体」ってなんだろう?

新型コロナウイルス、WHOがその病名をCOVID-19と名付け、話題になっていますが、今一度改めて「病原体」というものの知識を整理しておきましょう。

病原体というのは、病気を引き起こす原因です。

当たり前ですが、まずはそこからが大事で、ウイルスや細菌、寄生虫にいたるまで無症状ないし無自覚のものが多くあります。

生物は常に行き交うウイルスによって遺伝子の導入をされ、むしろ非病原性のものも多く、この世界に人間などの動物はもちろん虫や植物、細菌にいたるまであらゆるものに対応したウイルスが存在します。

それらが複雑に関係し、遺伝子導入にかかわることで進化の動因となってるとも言われています。

細菌にしても、腸内細菌や皮膚の常在菌なんて細菌もむしろ居ないと困る菌ですし、皮膚にはニキビダニといわれる顕微鏡サイズの虫がほぼすべての人類に暮らしています。

一見単体に見える生き物も実は多くの生き物、ウイルスの共生環境であったり媒質であったりするわけです。

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「病原体」の種類と大きさ

話を病原体に戻すと、病原性の微生物と寄生虫に分けられます。

サナダムシ(条虫類)などのわかりやすい寄生虫にくらべて原虫類と細菌を混同する人、真菌ってなんなんって人もいるでしょう。

そもそもウイルスを生物として考えていいの? という定義はとりあえず今回は議題ではないので置いておきます。

細菌は原核生物といって明確な核膜を持たない原始に近い生命です。

一方で、真菌や原虫は核に核膜をもったもう少し進化した感じの生命で真核生物といいます。

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真菌はカビや酵母などが所属する植物よりの雰囲気で、原虫は動物よりの雰囲気と普通の人は考えておいて十分です(この辺掘り下げるとあらゆる反証例外だらけなのであくまで雰囲気というのでご理解ください)。

人の細胞を10μmと考えると、細菌は1μm程度のサイズ(リケッチアなどめっちゃ小さいのもいる)、ウイルスは0.1μm程度なので、10分の1ごとに小さくなるみたいなイメージを持っていればOKです。

原虫は実はかなりザックリした分類なので細菌サイズのものから細胞サイズのものまでいろいろいるのでまちまちです。

こうした病原性微生物の違いを科学から縁遠い人も一応知って置いた方がよいのは、その治療薬が全然異なるというのを理解するためです。

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病原体によって治療薬が異なってくる

細菌は非常に種類が多いですが、それらを包括的に倒すことができる抗生剤(抗菌剤、抗生物質など細かい分類はしない)が存在し、細菌を相手にする病気に対して人類の文明はかなり前進しました。

真菌は酵母やカビといった感じで有名なものは水虫の白癬菌などですが、体内で増える真菌もおり、そうした真菌の体の仕組みを逆手にとった抗真菌剤というものが存在します。なので、そういった水虫薬のおかげで足の平和も保たれているわけです。

抗真菌剤や抗生剤はざっくり広く効果を発揮するので狙い撃ちというものがあまり要りません。抗生剤、抗真菌剤は、ざっくり細菌、真菌が相手であればオールマイティにダメージを与えられる物理魔法的な感じです。

しかしウイルスはあまりに小さく、そして構造や増え方があまりに違いすぎるので、ウイルスをざっくり狙い撃ちして倒すという薬は存在しません。

故に風邪には抗生剤を処方しないように・・・という話につながるわけです。

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ウイルスと人類の戦い、そしてワクチン

ウイルスに対する薬は長年あまり無く、ワクチンで人類はヤバい病気に打ち勝ってきました。

そして近年、インフルエンザウイルスを標的としたオセルタミビルをはじめとして特定の病原性の高いウイルス狙い撃ちで薬が開発されるようになってきました。

これはウイルスの使っている特定のタンパク質を狙い撃ちしてウイルスの行動を邪魔するもので、反属性攻撃みたいなものです。炎タイプに氷をぶつけると「こうかは ばつぐんだ!」という感じです。

このように効果は高いのですが、属性攻撃と表現したのは、非常に狭い範囲でしか効果をもたないからでして、相手の属性を知らずに無闇にぶっ放しても良いわけではありません。「こうかが ない みたいだ……」になっちゃう。

よって、インフルエンザ用の薬が今回のコロナウイルスにも効くというわけではない点が大事。細菌よりもウイルスの同定検査は大事になってくることが多いわけです。

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コロナウイルスとは?

今回話題になっているコロナウイルスも、本来は一般的なウイルスで人畜共通感染を起こします。

ただし症状は動物によってマチマチで基本的に人以外の鳥やブタといった家畜にも感染し、症状があったりなかったり程度のありふれたウイルスで、生物の間を循環している基本的な風邪の原因のひとつです。

脂質でできたエンベローブという膜に王冠様(ラテン語でコロナは光輪や王冠)のスパイクを持つウイルスで、その中で凶暴なものが出現し、それが、SARS-CoVやらMARS-CoVなどと言われています。

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確かに最近出てきたこれらのウイルスは、本来のコロナウイルスと細胞への侵入方法が違うなど変わった点はあります。

これらの突然変異が人為的で生物兵器として作られた・・・という話は大変面白いですが、そもそもそれが本当だったとしても製造元が名乗りだしてそうでしたと認めるわけもなく議論自体が不毛なので考えるだけ無意味です。

とはいえ強い病原性のものを野放しにしておけば人間は死に続けるので、人類は、細菌に対しては抗生剤を作り、特定のウイルスに対してはワクチンというものを発明し、長き感染症との戦いにある程度ケリをつけてきたわけです。

今回のCOVID-19の原因のコロナウイルスに対しても急ピッチで研究が進められているのはその辺なのです。

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反ワクチン滅ぶべし

というわけで、コロナウイルスの話題にかこつけて、病原体とはなんぞや、その対処方法とは何か、詳しくなくても最低限、リテラシーとして知っておくべき諸々について今回はお送りしました。

その上で、最後に申し述べておきたいことがあります。

反ワクチン、滅ぶべし。

反ワクチン活動家は広義の意味では病原体の拡散を手助けする存在ですから、系統的には病原体を媒介する蚊のような害虫と同等かそれ以上の害悪です。

基本的に病原体の仲間という判断で良い。幸いにも物理攻撃が効くので蚊やゴキブリと一緒の対応で良いでしょう。

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おまけ

くられ
くられ

と、いうわけで、今回は「病原体」をテーマにお送りしたのである。

Joker
Joker

一口に病気、病原体といっても、種類が山ほどあるんですね。

くられ
くられ

そう、そして、それぞれに対処方法というものもあるんだよ。無闇に抗生物質使えば良いというわけでもないのだ。医者に注文つけたりする輩もいるし、言うこと聞かずに悪化させるアホもたくさんいて頭が痛いわけだが・・・

Joker
Joker

なるほど。つまり、よくわからんならわからんなりに、病気になったらちゃんと医者に処方された薬を指示通り飲め、と。

くられ
くられ

いや本当。時々、その辺がアレな人が自然療法がどうとかワクチン怖いとか、自滅するのはともかく周囲を巻き込むから、本当にバイオテロリストだよ。

Joker
Joker

そういうのはゲームの中だけでいいですよ・・・あ、薬理凶室が人類を滅ぼしましたよ、先生。

くられ
くられ

さっきからやってるそれは・・・ああ、Plague Incだっけ。

Joker
Joker

今日紹介してた病原体の種類とかも網羅してるし、それぞれ特性があるんで、なかなか面白いです。

POKA
POKA

はっはっは。ところで、今回も頭ではなくケツにこのやりとりが来ているのだな!

くられ
くられ

割と真面目な記事だと身内ネタはしづらいからなあ・・・

Joker
Joker

だから、メタいですよ、先生。

POKA
POKA

ケツに来ているだけに、オチはこれで行こう! 覚悟おし!(ブスリ)

くられ
くられ

文明開化ァ~!

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著者紹介

くられ
くられ

作家、科学監修。「科学は楽しい!」を広めるため科学書分野で20年以上活動。著作「アリエナイ理科」シリーズ累計50万部突破。原作を務めるコミックス「科学はすべてを解決する!!」も50万部を超える。著作「アリエナクナイ科学ノ教科書」が第49回・星雲賞ノンフィクション部門を受賞。週刊少年ジャンプ連載「Dr.STONE」においては漫画/アニメ共に科学監修を担当。TV番組「世界一受けたい授業」「笑神様は突然に・・・」NHK「沼にハマってきいてみた」等に出演。ゲーム実況者集団「主役は我々だ!」と100万再生を超えるYouTube科学動画を多数共同製作。独自YouTubeチャンネル「科学はすべてを解決する!」チャンネル約30万登録やTwitterフォロワー16万人以上。教育系クリエイターとして注目されている。関連情報は https://twitter.com/reraku

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