初出:2013/08/06 Vol.28 続・シャンプーの話
シャンプーや発毛の界隈は、サプリメント以上に怪しいオカルト情報が平然とまかり通っていて、なかなか凄い物があるのですが、その中でもノンシリコン神話は際だって馬鹿馬鹿しいものです。
ちなみにシリコンと言われているのは、ジメチコンなどのシリコンオイル(シリコーンオイル)です。
実際にノンシリコンで検索してみると、「合成だから体に悪い」とか「毛穴を詰まらせる」とか「安い成分なので安いシャンプーには必ず含まれる」とかオーガニックの好きそうなパープリンがドヤ顔で語りまくっているのですが、真実はさにあらず。
なにがどういう理屈で天然=安全なのかは言うまでもない馬鹿げた話、天然が安全ならトリカブトだろうが食中毒だろうが全部天然由来だろう、そもそも合成といってもその元をたどれば全部天然物なわけで、そんなもので安全危険の判断ができれば科学者なんてものはこの世に存在していません(笑)。
毛穴を詰まらせる云々も資料らしい資料はどこにもなく、その根拠はすべて「なんとなく」というもの。
自然に存在しない成分なので恐ろしいとか言い出したら歯も磨けません。すべては様々なテストに合格したからこそ使われているわけで・・・。
そしてシリコンオイルは安い物に・・・も大間違い。シリコンオイルはむしろ工業製品の原材料の中ではぶっちぎりの高額品。中の成分でグラム単価ではおそらく最も高額でしょう(ごく少量の成分を除いて)。
なぜそこまでして無害なシリコンがこれだけdisられているのかというのは、正直よくわからないのですが、一部のネズミ講系の販売会社が自社製品を売るためにあちこちでシリコンシャンプーは頭皮を傷めるキャンペーンをしまくったのが、じわっと広がっていったという話のようです。世界中の科学者が安全性を確認している話と、ネズミ講が言ってる話を天秤にかけてみればどちらを信用すべきは言うまでも無いですね(笑)。
良いか悪いかは誰かが決めることではなく、試してみて自分で決めることです。
しかしこんなインチキくさい話にシャンプー各社が乗りに乗って、「俺もノンシリコン」といいシャンプーを売りまくっているのは正直情けないとしか言いようがありません。
そしてなにより、ほぼ全てのノンシリコンシャンプーの専用トリートメントにはシリコンオイル入りという最大のオチが付いていることに関してはもはやツッコミを入れる気すら失せてきます。
※本稿の初出は下記コラムの補足としてメルマガに掲載されたものになります。