初出:2014/11/11 Vol.93 台所サイエンスその1 色の変わる液体
初出:2014/11/18 Vol.94 台所サイエンスその2 洗剤と着色料で作る泡発生
夏休み向け?台所でできる科学実験
子供に科学の楽しさを教えるには、触っても食べても安全なレベルで、色変わり液などを見せるのが手っ取り早いものです。そこで、台所にあるもの程度でできる、アリエナイ理科では扱えない「安全すぎる実験」を取り上げていこうかと思います。
色の変わる液体
色が変わるといえばリトマス試験紙が有名です。かつてリトマス紙に使われていた成分は、リトマスゴケという地衣類の色素で、酸性アルカリ性を簡単に見分けるために小学校でも習った覚えがあるかと思います。
リトマス紙に限らず、pH(ペーハー:酸性かアルカリ性かの度合い)によって色の変わる色素は意外なほど身近に存在します。
まずは赤キャベツ。
赤いキャベツから浸透抽出すれば簡単に得られる色素で、当然食べ物にも添加できる色素なので、その場合は赤キャベツを千切りにして少量の水に塩や砂糖を多少多めに入れて揉み込むようにしばらく置いておくと、かなり色素を取り出すことができます。酸からアルカリまで、多様に色が変わる液体なので、台所の酸(クエン酸)や塩基(重曹など)を混ぜてみて色がどのように変わるか遊んでみるのもいいでしょう。
余談ながら、この赤キャベツでザワークラウトを作ると、食卓の彩りになったりもします。余ったら美味しく再利用!
また、バスクリンなどに使われている色素は、タール系色素の中でも壊れやすいものをうまく使っているものが多くあります。特に「残り湯を洗濯に使える」と書かれているタイプのものは、重曹などをいれて塩基性(アルカリ性)にすると、さっと色が消えます。これは塩基性で分解する色素が使われているからで、各社の入浴剤をいろいろ買ってきて、pH試験をしてみると思わぬ色味を見せることがあります。紫からエメラルドグリーンになったりする事もあるので、いろいろ遊んでみるには良いかも知れません。
洗剤と着色料で色付きの泡
続いて、水を入れると泡が大発生、という実験。子供だましと言われてしまえばそれまでかもしれませんが、低年齢のお子様には非常にウケが良いです。
配合は簡単、重曹・クエン酸・着色料・中性洗剤です。
重曹と着色料は、入浴剤で代用することもできるものもありますが、泡立ちが悪くなってしまいます。着色料は、スーパーにも売っている食用着色料の赤や緑でいいでしょう。クエン酸は普通に数百円程度でネットでも販売されていますし、同様にスーパーやドラッグストアで買えるはずです。
大さじ2杯程度の重曹とクエン酸を乾燥状態で混ぜておき、そこに着色料を足した中性洗剤を入れて粘土状にします。
あとは、そこに水をそそいであげるだけで、色のついた泡がブクブクと出てきて、子供は大興奮ですよ。