初出:2013/07/16 Vol.25 ニキビのはなし その1
初出:2013/07/23 Vol.26 ニキビのはなし その2
先生、最近ちょっと肌荒れがひどくて、ニキビに困ってるんですが、なんか良い薬とかないですかね?
皮膚科に行けば良く効く薬を処方してもらえるよ・・・君の場合は日頃の不摂生がそもそも良くない(笑)
うっ・・・おっしゃる通りです。気を付けます・・・でもご飯もお酒も美味しい・・・
運動しようよ。運動はすべてを解決するよー。
人は低きに流れると、先生もいつもそうおっしゃっているではないですか。
もうしょうがないなー・・・ではこの新しいケミカルピーリング用の薬品で解決してやろうではないか!
ちょっちょっ・・・明らかにヤバい刺激臭がするんですが! 大丈夫なんですか!
科学ノ進歩ニ犠牲ハツキモノデース。
男女問わずの困りもの:ニキビのはなし
ニキビ。
ニキビが出来て嬉しい人はいませんし、人のニキビも気になってしまうもの。どんなに美人でも、ニキビ跡でボコボコだとやはり残念なものです。
今回は、そんな男女を問わず困りもののニキビの治療について、あれこれと触れていこうと思います。
そもそもニキビというのは、医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と言い、何らかの原因で毛包上皮が角質化して皮脂が溜まり、そこにアクネ桿菌などが悪さをして・・・といったものが大半です。
肌に個性あり・原因も一つじゃない
「大半」と言ったのは、そうではない事例もあるためで、これについては後述。また、様々な肌のトラブルの結果の一つとしてニキビが出来る訳なので、原因は一つではありません。
そもそも個人個人で肌の状態とか性質とか違うので、肌に合う合わないというものもありますし、万人に100%効くなんていう都合のいい話はありません。
そういう都合のいい話を持ってくるのはインチキです(笑)
さておき、では、ニキビのケアは、どうすれば良いのでしょうか?
皮膚科で診断・治療を受けましょう
最初に結論から申し上げてしまいましょう。とはいっても、いつものアレです。
「医者に行って治療を受ける」
これが一番。なんか仰々しい謳い文句でCMがバンバン打たれているようなクソ高いサリチル酸入りの洗顔料とか買うくらいなら、皮膚科に行ってちゃんと医師の診断を受け、良く効く薬を処方してもらうのが良いのです。
前述の通り、肌の状態なんかは人それぞれですし、ニキビだと思っていたけど違う病気だった・・・なんていうこともあり得るので。
真菌症であるマラセチア毛包炎なんかがそうで、しつこいニキビ状の症状が続いてずーっと治らないなと思っていたら、そもそもニキビじゃなかった・・・というのが、医者に行ってやっと発覚、そんな事例もあるわけです。
マラセチア毛包炎はニキビそっくりですが、顔より胸部や肩、二の腕なんかに多く出現します。軽いかゆみがあるのが特徴ですが、素人目には見分けが付くようなものではありません。
ニキビに良く効く処方薬
さて、そうしてニキビで医者にかかると、市販薬など比べるまでもなく良い治療薬を処方してもらえます。
ニキビの治療には、間違いなく処方薬がもっとも有効です。なので、出来てしまったニキビを治療するなら医者にかかるのが一番手っ取り早い訳です。
良く処方されるのは、「アダパレン(商品名:ディフェリンゲル)」で、これはニキビの根本的原因である角質詰まりを阻害するもの。ほとんどの人に安全に使えます。
また、ニキビの原因菌である、アクネ桿菌に良く効く「クリンダマイシン(商品名:ダラシンTゲル)」なんかが使われることも多くあります。これは、皮脂の詰まりを抑えて殺菌をするものですね。
この他、内服薬や、いわゆる「ニキビ跡」である、ニキビの出来すぎでデコボコになってしまった肌を治す方法などもありますし、様々な治療方法が確立されています。
ただ、医者にかかるにあたって気を付けないといけないこともあります。
皮膚科も、個人が経営する病院だと古い薬しか使っていないという身も心も止まっている病院もたまにあるので、2、3週間使ってみて駄目そうなら他の病院に当たってみるというのも大事です。
病院に関してはネットのレビューは絶対にアテにならないので参考にしちゃだめです。
ご家庭レベルのニキビ対策
さて、ここからは家で出来るニキビ対策の話。
とはいえ、出来たニキビの治療は医者の処方薬が一番な訳で、この場合は「なるべく出来ないようにする」でしょうか。
ニキビは肌トラブルが原因である事が多いので、それを解決してやれば、肌荒れも良くなり、ニキビも出来にくくなるはずです。
かつては、あくまで家庭レベルであればですが、ニキビに限らず、アセモや軽い感染症からくる皮膚の異常は、ムトウハップが非常に有効だったんですけどね。
自殺に使う馬鹿が現れたせいで、製造中止どころか会社ごと廃業という形でなくなってしまったのが大変残念です。夏場の肌トラブルには良く効いたのに・・・
さておき、ないものはしょうがないので、ではどうすれば良いかというと、日々のスキンケアをきっちりしましょう、というのに限ります。
肌の状態などにもよりますが、スキンケアという点で効果的なのは、自作の化粧水でしょう。
保存料や防腐剤が肌に悪さをする事もあるので、それらを使わないシンプルな自作品は肌荒れに効果大です。ただ、さんざん申し上げている通り、肌は千差万別なので、合わないという人はどうしても出てくる事はご了承ください。
サリチル酸系洗顔料の効果は?
ちなみに、ニキビに対してはサリチル酸が良く効くので、ニキビケアの洗顔料に含まれていたりしますが・・・やたらと宣伝されているアホみたいに高い洗顔料でなくとも、普通の薬局にもお安くサリチル酸系洗顔料は売っています。
何千円もする高いものと、配合に大した違いはありません。効果も大差ないです。
そして、これが問題。サリチル酸は、アレルギーを起こすことがあるのです。
こうなってしまうと、症状は治るどころか悪化し、治療が困難になってしまいます。
どんなものにアレルギーを起こすかというのは分からないものなので、化粧品やこういった洗顔料で起きる事もあり、それが肌トラブルの原因になる事もあるのです。
実際、新しい化粧品を試してみたら肌荒れを起こした・・・という経験、あるのではないでしょうか。
こういった事もあるので、日々のスキンケアを心掛けつつ、怪しいなと思ったら、くどいようですが早めに皮膚科に行った方が良いでしょう。
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