初出:2016/01/12 Vol.154 嘘を見抜く方法 前編
先生、嘘って見抜けるものですか?
前、YouTubeでちらっと言ったけど、バラエティが良い練習になるよ。
ああ、心にもない事を言ってる時を観察するっていう・・・
むっきゃっきゃ!
あー、猫の主張もノンバーバルアクションですね、そういえば・・・
「アリエナクナイ科学ノ教科書」記事抜粋!
今回、次回と二回に分けて「嘘を見抜く方法」に関しての記事をお送りしようかと思います。以前メルマガで紹介し、そして拙著「アリエナクナイ科学ノ教科書」にも載っている記事の抜粋となります。
興味が湧いたら、ぜひ購入して欲しいのです。はい、今回も思いっきり宣伝です(笑)。
観察によって八割の嘘は見抜ける
結論から言うと100%嘘を見抜ける人、機械はありません。しかし、人間ならではの独自の観察力をもってすれば、その的中率は80%以上とも言われます。
俗に言う読心術や心理トリックの類いがそれでトレーニング次第で才能がない人でもある程度身につけることが出来ます。
ここで最も大事になってくるのが「ノンバーバルアクション」と「第1次言語」。「ノンバーバルアクション」は非言語的動き、「第1次言語」は言葉にならない言葉です。
例えば、いきなり顔に虫が飛んできた時にとる人の行動はマンガやアニメでは「キャァ 虫が!」とか言いつつ、驚いた顔で手で的確に虫を払う動きとなります。
しかし現実では「どぉうええ!」と声にならない声をあげ、虫とてんで的外れの方向に暴れ回り、顔はマジ顔です。驚きの表情が出るのは実は一瞬です。
「どぉえええ!」はその人ならではの驚きを表す言葉であり、何かがふいに飛んできて面食らったことを示す言葉で、赤ん坊のダーウーとかマァームゥーと喋っているものと大差の無い、言葉になる前の「魂の言葉」です。この1次言語の上に言語という概念が乗っかり、初めて言葉である母語となるわけです。
素の悲鳴と演技の悲鳴は異なる
言葉は便利なもので、感情をうまく隠すことができてしまいます。なので虫が苦手な女性は「マギャアアア」と声にならない悲鳴をあげますが、あざとい女性は「キャー」と作ったかわいい声で悲鳴を真似るわけで、どういった人間か知ることができるわけです。
手の動きも虫を的確に払いのけることができるのは、あらかじめ虫であると認識した上で座標軸を合わせた動きをし、命中させるギリギリのところで空振りしつつ、虫によって手払いしているのだと周りに教えているわけですから、これが自然に出来る人は、動体視力と思考能力がありえません。
故に現実世界でそれをする人は余裕のなせる「演技」です。アニメの世界では「わざとらしく、アイコン化された動き」を使うためにそうなりますが、リアルワールドでは違うわけです。
また実際の顔の表情変化は一瞬です。よくテレビやできの悪いドラマなどで、人間の眼球の位置でその人が嘘をついているか、そうでないかをドヤ顔で説明しているものがありますが、あれは殆ど根拠がありません。
20年くらい前の微妙な心理学者がなんとなく本に書いたものが発祥と言われていますが、現在は科学的根拠は乏しいとされています。
そもそも人の考え方にはある程度の規則性はあるものの、確実なものはありません。とはいえ、人間の嘘は体に出る・・・この嘘を見抜く技術というものがアメリカFBIを中心に研究され、今や心理学というより生物学的な意味合いを強めている、要するに人間が隠すことができない微少な本能的な動きをパターン化しようという学問が産まれつつあります。
次回はその微細な動きの見分け方を軽く紹介しようとおもいます。記事は以下です。
ディスカバリーチャンネル連載
さて、今回紹介した「アリエナクナイ科学ノ教科書」ですが、ディスカバリーチャンネルに同名の連載が載っております。今回、次回と続く一連の嘘についての話は、第五回の「霊能者の話術」に出てくる占いのテクニックにも関連があるので、あわせてご覧いただければ幸いです。
連載記事一覧はこちらです。