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【流体力学講座その1】ベルヌーイの定理とは何か:Liar K

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キャノン作りには流体力学の知識が欠かせません

皆さんこんにちは。薬理凶室重工作番、Liar Kです。
今回から何回かに分けて「流体力学」の話をしていこうと思います。

なんだか難しそう、と思われるかもしれませんが、蛇口を捻って出てくる水、その水が通っている水道管など、意外に身近なところにも流体力学というものが関係しているのです。

そして「空気」という流体を制御している空気砲「エグゾーストキャノン」にも、この流体力学の知識が欠かせません。

どうですか? 興味が出てきましたか?
では、参りましょう。

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「ベルヌーイの定理」とは

さて、今回お話するのは、流体に関しての定理である「ベルヌーイの定理」について。

これは、外から力のかかっていない同一流線上の定常流または渦なしの流れ、もしくはその両方で、理想流体のエネルギーが保存される事を示した定理です。
天才数学一族、ベルヌーイ家の一人、Daniel Bernoulli氏によって1738年に発表されました

……いきなり専門用語が出てきましたね。
わかんないと思うので、用語解説をしましょう。

定常流とは、流体のうち、速度、圧力、密度が時間的に変化しないものを指します。
要するに「ずっと同じように流れてる流体」です。

理想流体とは、粘性がなく、体積が変化しない流体を指します。
非粘性・非圧縮性ということですね。

つまるところ、理想的な状態を想定し、話をややこしくする要素を抜きにして考えた場合に、流体のエネルギーは保存される、と、それが「ベルヌーイの定理」です。

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水道管で解説する「ベルヌーイの定理」

ベルヌーイの定理は、流体の圧力をp [Pa]、密度をρ [kg/m3]、流速を v [m/s]、高さを z [m]、重力加速度を g [m/s2] とすると、以下の式で表されます。

とりあえず式を出してみましたが、これだけではやはりわかりませんよね。
なので、もう少しわかりやすく解説をしましょう。

皆さん、頭に水道管を思い浮かべてください。
水が途切れることなく流れている、つまり「蛇口を開けっぱなしにした」状態の水道管です。

この水道管を流れる水が持つエネルギーの総和は常に一定(const.)になります。

これを式として表したのが、先ほどのものです。
ここで流体の持つエネルギーは圧力エネルギーと運動エネルギー、位置エネルギーで考えるのが一般的であり、つまり、上の式の項はそれらエネルギーを表しているのです。

ちなみに圧力エネルギーについて初めて聞いた方もいらっしゃると思うので軽く説明しておきましょう。
そもそも圧力p [Pa]は、単位面積あたりに働く力で表されます。
つまり、面積をS [m2]、力をF [N]とすれば

となります。単位に注目すると 、

です。ここで右辺の分母、分子にそれぞれメートル [m]をかけると、

となります。
こうすると分子が[N・m]([J])となり、エネルギーを表す単位となります。

つまり、パスカル [Pa]は単位体積あたりのエネルギーを表していることになるのです。 これで、圧力をエネルギーとして扱うことにしっくりきたと思います。

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流体の状態変化を式で知る

それでは流体の初期状態を(1)の式として、条件が変わるとそれに伴って式がどのように変化するか見てみましょう。

前提として「連続の式」という流体力学における質量保存則を知っておきましょう。これは、

非圧縮性流体において同一流線上の単位時間あたりに断面を通過する流体の体積は常に一定である

という定理です。難しい言い方になりましたね。

もう一回、頭に水道管を思い浮かべてください。
今度は、太い水道管と、細い水道管です。

この定理は、水道管が太くても細くても、時間あたりに流れる水の量は同じ、ということを示しているんです。

以上を踏まえて、初期状態から水道管の高さはそのままに水道管が途中で細くなった場合を考えます。
すると、流路の断面積は小さくなりますが、単位時間あたりに初期状態と同じだけの水量が流れる必要があるので(連続の式)水の流れる速度は上がります。

またここで、水道管の位置はそのままなので位置エネルギーは変わりません。
このままでは外力が作用していないのに、水の持つエネルギーの総和が変わってしまうので、圧力エネルギーを下げることで水道管の太さが変わる前と後のエネルギーが釣り合わせます。

これによってこの定理は、流線の高さが一定なら、流路の断面積が小さくなれば流体の速度は上がり、逆に流路の断面積が大きくなれば流体の速度は下がると解釈できます。
ここでもし、高さが変わったとしても流速や圧力が大小して一定のエネルギーが保たれます。

このように、同一の管内を一定の速度で流れ続ける、非粘性・非圧縮性の流体は、管の太さが変わろうと、管の位置が変わろうと常に一定のエネルギーを持つと言うのがベルヌーイの定理です。

ホースから水が出ている状態で、ホースの口を絞ったら、水が勢いよく出るようになりますよね? あの現象を、流体力学的に解説するとこうなる訳です。

さて、なるべくわかりやすく解説しようとしているのですが、いささかならず難しい話になってしまいましたね。
今回はいったんここまでとしましょう。

物理の話はどうしても難しくなりますが、それこそ「出口を狭めると水は勢いよく飛び出る」という、体感的に知っている現象に「説明を付けられる」というのは、面白いと思いませんか?

ご興味を持って頂けたなら幸いです。
次回もお楽しみに。

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