初出:2016/06/28 Vol.178 セックスは手段か目的か #2
「恋愛物質の魔法」ですか、先生。
まあ、そういう物質があるんじゃないか、って話なのだが、恋愛感情が持続するのは約三年くらい・・・と多くの学者も言ってるね。
そういえば、科学動画でも「賞味期限切れ」とか言ってましたね。
うむ。本能任せのままだとだいたい不幸な結末になるので、相互理解を深めるのが大事。
他人から家族になるには努力が必要ってことですね。ところで先生・・・白衣が汚れているようですが。
これは、相互理解の結果、ゴミ掃除をすることになってね・・・
恋愛感情が続く期間は約三年
男はセックスが恋愛の目的であり、女はセックスは恋愛の手段である。
語弊を生みそうな感じですが、前回の話をまとめるとこんな感じです。
「恋愛」と簡単にまとめましたが、あくまで男女の関係の上で、性の問題というのは軽んじてはならない部分です。
一目惚れや、何かのきっかけで芽生えた恋も、お互いにその価値を見いだしていかないと、結局は他人、脳内恋愛物質の魔法が解けたら、わかり合えないただの他人がそこにいるわけです。
恋愛物質というのは、現在は見つかっていませんが、脳内では麻薬のMDMAに似た構造を持っているのではないかと言われる仮想物質ですが、人間の恋愛感情は約三年程度と言われており、これは本来の人間の恋愛状態が続く本能的な部分かもしれません。
三年間あれば、子供も一応自立可能なサイズにまでは成長するわけで、生物学的には、お互いに、その程度で別れて別の相手と子供を作っていくほうが遺伝的多様性は獲得できるわけです。
といっても、現代の子育てに三年という期間はあまりに短く、女性に不利な状況が出来やすいと言えます。故に女性は男性より強かに「良い男」を吟味しようとするのかもしれません。
恋から愛に変えるには「相互理解」が大事
三年以上の恋愛を、もう少し長持ちする感情・・・「愛情」に変えるためには、男女の性差をより理解する必要があるのではないかと思うわけです。
そうした訓練は、自分のような大してモテないイロモノがするものではなく、いろいろな経験豊富な人の多くの本が出ているのでそちらを参考にしてもらうとして。
例えば、女性は感情の同調を好む・・・察して欲しいという傾向があり、男性は物事をはっきりと言わないと伝わりません。
もちろん男性的な女性や女性的な男性もごく普通にあり得るので、相手に応じて「どういう思考形態」なのかと「どうしてこうなった」のかを、出来るだけ分析するということが大切です。
そして大事なのは、この分析はお互いにしなければならない、ということ。そうでなければ、結局は片方が譲り続けてストレスがたまり、ある日大爆発・・・なんてことになるわけです。
性に関しても、女性は性を恋愛の手段としてしまうので、相手を獲得し、安定した生活を手に入れたとたんに冷遇するようになったりします。男は男で、やるだけやったらもう用事は無いとばかりに、冷遇するといったトラブルもあります。
性の不一致は、端から見れば複雑ですが、当人らにとってはわりと単純な問題であることが大半です。
逆に一番解決しやすいのも性的な問題で、金銭感覚の不一致や、生理的嫌悪に関してはすりあわせることが極めて難しく、それを探るのもまた恋愛なのかもしれません。
幸いなことに、恋愛物質の魔法は三年とはいえピークは三ヶ月程度です。その間に相手をいかに素早く見極め、自分の理想と現実を織り交ぜて妥協と理想を合算できるか・・・それが現代の恋愛なのかもしれません・・・が難しいですね(笑)
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