初出:2013/12/31 Vol.49 口臭のはなし その2
一番手軽な対策は口内衛生に気を付ける事
さて前回、口臭は、体からにじみでるもの(肺に入った空気に溶けて出る)、胃から上がってくる、そして口の衛生状態などから生じるという話をしましたが、最も個人的な努力で抑えることができるのが、言うまでもなく口の中の衛生です。
歯磨きが甘かったり、スナック菓子なんかを寝る前に食べてそのまま朝まで放置したり、酸っぱいものを口にいれたまま眠ったりすることで口内の雑菌のバランスは簡単に崩れます。
虫歯菌というものは、多くの細菌の総称なのですが、その多くは酸性環境を好みます。故に、唾液はほんの少し塩基性で、口内のpHは7〜7.5あたりになります。これが、酸味料を含むものを口にいれたままや、酸っぱいドリンクを飲んだまま眠ると、6.5以下の酸性になり、その環境では、口内環境を悪化させやすい菌の活動が活発になります。塩辛いスナック菓子でも、実際はかなりの酸味料が含まれているので、局所的に非常に強い酸性になっており、それが歯の隙間や歯茎との隙間に入ったまま就寝すると、虫歯の進行や歯槽膿漏の原因となります。
歯槽膿漏や溜まりすぎた歯垢はチオールなどの悪臭物質をもりもり作り、さらに組織が壊死して生じる肉が腐った臭いが、乳酸の酸っぱい臭いに混ざることで歯槽膿漏独特の猛烈な口臭になっていきます。
故に歯ブラシは大事なのですが、歯ブラシの使い方が間違っている人も多く、またクセで磨かない部分がある人も多いので、そういう人は歯垢を染める薬剤(薬局で購入可能)なんかで歯垢の分布状況を目で見て把握することも大切です。
すでに歯茎が腫れて歯槽膿漏や準備段階になっている人は早めに歯科医で診てもらいましょう。個人的な努力では、なかなか治りません。
歯磨きは、毎食後律儀にゴシゴシするのではなく、普段の食事であれば、良くゆすぐだけで十分で、1日に1回ないしは朝晩くらいで十分です。ただ二十歳以降はどうしても歯の隙間が増えてくるので、歯間ブラシ(フロス)は2、3日に1回は必ず使って歯垢が溜まらないようにしましょう。
間食の後は、良く口をゆすいで、そのあと唾液を出すのを意識するとよいでしょう。そういう意味でも食後に口をゆすいで、その後ノンシュガーガムを噛むのは非常に良い習慣といえます。
口臭対策も地味な毎日の積み重ねから!後付けのにおいで誤魔化しても無意味です!