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信用できない医薬品もある:コンドロイチンって効果あるの?

美容と健康
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初出:2015/03/24 Vol.112 コンドロイチンは医薬品です が
改稿:2020/01/14

Joker
Joker

先生、このコンドロイチンって、一応は医薬品みたいなんですが、胡散臭くないですか?

くられ
くられ

うん、効果があったら関節へのダメージで苦しんでるプロスポーツ選手とか引退しないで済むだろうね。

Joker
Joker

ああ、やっぱりそういう・・・でも医薬品だってことは、一応は根拠がありそうなものですが・・・

くられ
くられ

実験や論文はあるし、「痛みが減った」って報告もあるけど、そこはそれ、カラクリというものがあるんじゃよ。

Joker
Joker

ふむふむ・・・なるほど、プラセボ効果ですか。

POKA
POKA

はっはっは。関節が痛むというなら、サイボーグに改造してやろうではないか。まずは頭を引っこ抜くところからだな!

くられ
プニプニペンケース

待て待て、人の頭をペンケースみたいに引っこ抜こうとするのはやめ・・・イダダダダダ!

医薬品と銘打っていても怪しいものも中にはある

多くのくっそ怪しいサプリメントの宣伝が、昔ながらの女性週刊誌やらテレビやら、最近だと動画の広告に跋扈する昨今であります。

ことサプリメントについてはただの健康補助食品で医薬品ではなく、故に食品が病気を治すのをアピールしている時点でおかしい。

・・・と、そんな話を、自分は拙著でもWeb連載でも、メルマガやポータルでもしてきました。

では、医薬品と明記されていれば効果があるのか、というと、実は怪しいものもあります。

例えばコンドロイチン。年寄り相手の新聞広告なんかでも「医薬品です」と言っているので、効果があると信じてしまいそうですね。

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コンドロイチンに効果はあるのか?

「コンドロイチンごときで関節障害が治るもんなら、スポーツ選手が怪我や事故で現役引退なんかしねえっつの」

誰かが言っていた言葉ですが、これが全てを表しています。まったくもってその通り、効果はほとんどないと言って良いでしょう。

第一にして、本当に効果があるなら、病院で医者が処方してそうなものですが、怪しい医者はともかく、まともな先生なら、まず処方することもありません。

じゃあなんでこんな役に立たないものが、医薬品として認められているのか、というと、一応は実験結果と論文があるからだったりします。

1990年代にコンドロイチンは軟骨に含まれる成分であることから、経口摂取で症状改善に使えるのではないかと実験されており、論文もいくつも存在しています。

そして「痛みが低減した」といった効果が報告されている次第。

・・・なんか報告と実情が食い違っていますね。これにはもちろん、カラクリがあります。

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盲検法が使われていない

形だけを見れば、コンドロイチンの実験・論文の報告には何の失点もありません。

が、しかし、実はそのほとんどの実験法が「盲検法」を使っていない・・・実際にコンドロイチンを投与したグループと、投与しなかったグループがわからないような工夫がされていないものです。

盲検法とはなんぞや、というのは、別立てで記事があるので、詳しくは関連記事から見ていただくとして。

ここで簡単に説明すると、コンドロイチンを投与したグループをA、投与しないグループをBとして、以下のような感じです。

Aグループには「関節痛に効くと言われているコンドロイチンを投与しますので、痛みが少しでも治まったら言ってください」と言い、

Bグループには「みなさんは比較用のサンプルなので、ただのでんぷんを食べてもらいます、関節痛に変化があったら教えてください」と言って、実験をしたというわけです。

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人の思い込みは侮れない

人間の思い込みというものは、なかなか侮りがたいものです。

これは精神論がどうとか、そういう話ではなく、偽薬といって、効果のある成分がなんら含まれていないものを「薬だ」と言って飲ませても、結構、効果が出てしまったりするのです。

例えば血圧の薬なんかもそうで、比較実験におけるこの偽薬群も、最初のうちは本当に血圧が下がったりするくらいでして、思い込みによる体の変化というものは大きい。

これを「プラセボ効果」といって、薬効のうち2割が思い込みによる作用である・・・とさえ言われているほど。

とはいえ、残りの8割は当然のことながら、薬が本当に仕事をしなければいけないわけなので、「嘘でも効果があるんならいいやん」というのは良くありません。この辺を肯定してしまうと、ホメオパシーのようなニセ医療まで肯定しかねんわけでして。

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二重盲検法は実験の基本の基本

ともあれ、この馬鹿にできないプラセボ効果について、実験から影響を排除しなければならんわけです。

よって、さっきの例ならA、Bどちらがコンドロイチンなのか偽薬なのかを被験者に知らせない盲検法、さらに、実験をする側自体も、どっちが本物なのかをわからないようにする二重盲検法という実験方法があります。

これらは、至極当たり前のことながら、この手の実験では基本中の基本です。

当時は、それでも医薬品にしても良いだろうと国が判断したので、医薬品になったわけです。

しかし、今まで触れた通り効果は怪しいので、そろそろ再評価の時期が来ていると思います。

その上で、こうした基本が守られていない実験で論文が書かれたのは何故か、というと、そこには「スポンサーの意向」が絡んできます。

サプリメント会社が後ろでスポンサーをやっており、論文を書くことで資金を提供されているという場合は、大学の研究者といえども人の子、金の力に負けて、盲検法をしないで予期した結果をわざと出やすくするカラクリを使うことがあるわけです。

この辺、じゃあ何を信用したらいいのか、というなら、それは基本原則に立ち返ることです。

病気で困ったら、関節痛でも、それ以外でも、本当にそれに毎日直面している、専門医に聞いてみるのが一番。

なので、ことあるたびに「医者にかかれ」「医者に相談しろ」と、そう申し上げているのです。

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