初出:2016/07/12 Vol.180 樹脂染め液の使い方
改稿:2020/01/25
(カタカタカタカタ・・・・・・)
おや、なんか懐かしいキーボード使ってますね。前に樹脂染めを試した奴ですか。
ああ、うん、ちょっと普段使いのキーボードが壊れてね。古いのを引っ張り出してきたんだよ。
それにしても、ピンクに青とか、また目に痛い色合いのキーボードですね。
無個性な安物の白いキーボードとか、ケバケバしい色にしてナンボではないか。
いや、そのAppleのキーボードは付属品かもですが、地味に結構高い奴では・・・
はっはっは。顔面白黒コンビはキーボードに比べて地味だな! ここはひとつ、新開発の万能染色液を使ってやろう(バッシャア!)
うわっぷ・・・いきなりぶっかけるのがやめてくださいよ・・・あっ、くられ先生の本体がマーブルカラーに!
そういうJokerはなんというか・・・ドブ色というか、カオス?
はっはっは。これでバッチリ画面映えだ! 良かったな!
樹脂染め液でプラスチックを染色する
樹脂染め液というものがあります。
ホームセンターなどで売られており、ABS樹脂やアクリル、その他多くのプラスチック類を染めることができ、無個性な白いプラスチックをエキセントリックな色合いにしたり、透明なものでもほんのり色付けすることが可能です。
これを応用すると、PC用のキーボードやマウスをカラフルにイメチェンできます。
そんなわけで、かつて実際にキーボードをピンクと青に塗り替えたことがあるので(笑)、その時のことを踏まえて、カラフルキーボードの染め方の話を今回はしていこうかと思います。
染色に必要なもの
まずは、染色に必要なものを一通り確認しましょう。
樹脂用染料
樹脂用の染料であればなんでもいいと思いますが、今回は「樹脂用染料 SDN」というものを選びました。
このシリーズは、こういった赤、青、黄色の基本色の他に黒、マゼンダ、シアンなど様々なものが出ています。好きな色をセレクトしましょう。
温度計
棒状で100度まで測れる温度計ならなんでもOK
洗濯ネット
目の粗めのものが良い。100均なんかで買うと良いでしょう。
耐熱容器
様子がよくわかるように自分はビーカーを使いますが、別に鍋でもいいです。
熱源(カセットコンロないし電熱)
カセットコンロでも良いですが、電熱があると良い感じ。
台所用洗剤
普通の台所用洗剤です。なんでもOK。
樹脂染めの手順
では、キーボードを染める場合を例にとって、実際の手順を確認していきましょう。染めるものによって若干の違いはあるかもしれませんが、大差はありません。
また、素材となるプラスチックの元々の色と樹脂染め液の量、温度や時間によって染まり方が違うので、本格的に染める前に予備実験をしておくと失敗がないと思います。
キーボードの事前準備
染めたいものを分解してプラスチックの部品単位にします。キーボードの場合ならキートップを外すわけですが、事前に必ず写真を撮っておきましょう。
そうしておかないと、あとではめ直す時に、どのキーがどこであったか、というので苦労しません。うっかり忘れると結構面倒です。
ものによっては分解の過程をやっぱり写真に撮っておくと、あとで戻す時に便利だと思います。
キートップはヘラなどでむしり取っていきましょう。一通り外し終わったら、キーボードの内部は使ってると結構汚れるものなので、ちょうどいいタイミングなので掃除をすると良いんじゃないかと。
キートップの洗浄
外したキートップはよく洗う必要があります。
手垢による汚れはもちろんですが、ホコリがついていたりしても、まだらに染まったりする原因になるので、よく洗いましょう。
そして、キートップなどの細かい部品を洗う時は、流れてどっかに行ってしまいそうになるので、ここで目の粗い洗濯ネットなんかに詰め込み、台所用洗剤でごしごしと綺麗に洗います。
染色液の準備
染色液を準備しましょう。
今回使った「樹脂用染料 SDN」であれば、染料と水の割合を1:20にします。他の染料を使う場合は書いてある通りに。色合いは好きなようにしましょう。
染色の流れはシンプルで、用意した染色液を加熱して、そこに染めたい樹脂を投げ込んで染色するだけ・・・なのですが、先ほども触れた通り、プラスチックの種類によって染色時間や温度が変化してくるので注意が必要です。
また、樹脂投入時に温度が下がると染めムラができてしまうので、液量をケチらず多めにしておくのがコツです。
キートップを染色する
染色液に浸ける前に、染めるもの・・・今回はキートップを、60度程度のお湯で温めておき、70度以上の染色液に入れるようにします。この辺の温度管理には温度計を使いましょう。
なぜ事前に温めておくかというと、先ほども触れた通り、染色液に浸ける時に温度が下がると染めムラの原因になるからです。なるべく温度を下げないための工夫ですね。
急激な温度変化が起こらないように加熱しながら、ガラス棒や割り箸などでできるだけ樹脂染め液がまんべんなく循環するように、5分ほど混ぜ続けましょう。
この時、派手に混ぜると気泡ができて、やはり染めムラができるので注意。
仕上げ
5分が過ぎたら、一度引き上げて色味を確認しましょう。ムラがあるようであれば戻してもう少し染め直します。
ただし、何度も引き上げて確認すると、温度変化を起こしてしまい、やはりムラになってしまう場合があるので、最低限に留めるのが良い。
染め終わったら、今度は軽くで良いので中性洗剤でもう一度洗い、よく水を切った後に新聞紙の上などでしっかり乾燥させ、写真に撮っておいたキー配列を見ながら元の場所にはめ込んで戻していきます。
配置を間違えないように注意しましょう。あと、外すときもそうですが、はめるときもあまり乱暴にやるとバキっといくので、そこも気をつけた方が良いです。
これで完成! 安物の無個性キーボードがあっという間にエキセントリックな色合いに! ぜひお試しください。
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