初出:2017/11/21 Vol.251 レプチン 前編
バターミルクコーヒーの効果のキモは「レプチン」ですか、先生。
うむ。中鎖脂肪酸・・・MCTオイルを使ってその辺をハックすれば良いのである。
ああ、だから、先生のレシピだとグラスフェッドバターがおまけ扱いなんですね。
そもそもコーヒーである必要すらないしね。夜中ならカルピスだって良い。
というわけで、今回は「レプチン」の働きについてご紹介です。
話が長くなるので前後編なのである!
バターミルクコーヒーとレプチン
ダイエットに良い、ということで話題になったバターミルクコーヒー。もともとの提唱者の人は、怪しい事も間違っている事も本に書いています。デマに踊らされている部分もあるので、鵜呑みにするのはよろしくないのですが、しかし、ある程度いい線行ってるのではないかと自分は思います(諸説アルw)
それが「レプチン」について。レプチンの働きに気が付き、レプチンをハックすることこそ、ダイエットの本道である、という感じに落ち着いているのは、流石だと思う部分です。
今回はダイエットコーヒーのキモ、このレプチンというものについて、二回に分けて紹介していこうと思います。
レプチンとは何か
そもそもレプチンってなんなんでしょうか?
レプチンという物質こそ、真の肥満治療のキーホルモンと言われているもので、この物質が一体どんなものなのか、最新の研究の話題をお話しましょう。
脂肪細胞には、白色脂肪細胞というものと、褐色脂肪細胞に分かれます。
褐色脂肪細胞は、常に働いています。それに対して、白色脂肪細胞は長い間、まさに怠けもののごとく体にのさばるだけの細胞と考えられていました。
しかし実は、交感神経や内分泌系の制御下で褐色脂肪細胞の手助けをしたり、糖質の代謝や脂質の代謝に大きな役割を持っていることが分かってきたのです。
そして1994年に、クローニングされた白色脂肪細胞から「レプチン」と呼ばれるホルモンが発見され、それが脳内の視床下部というところにあるレセプターに働きかけると、食欲が低下し、満足感を得ることが分かってきました。
つまり、レプチンを血中に増やせば、節食量を減らしても十分な満足感を得ることができ、ストレスなくダイエットを行うことができると考えられるわけです。
レプチンでダイエット
マウスの場合は脳に直接レプチンを注射すれば痩身効果があることが実験で確認されています。
とはいえ人間ではそんなことはできませんので、現在、臨床実験でレプチンを通常血中の20〜30倍の濃度にするレプチン注射を行うことで、多くの患者で、24週で最大10キロもの減量を行うことができることが確認されています。
しかし、レプチンは非常に高価ですし、注射でダイエットという時点で普及は難しいものがあります。
じゃあこのレプチンってどうやってコントロールすればいいのか? これを中鎖脂肪酸などを使ってハックするのが、バターミルクコーヒー、という話に繋がっていくわけですが、その辺は後編でご紹介します。
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後編はこちら
バターミルクコーヒーについては以下の記事があります。科学動画でも紹介しました。
レシピの中で重要かつ手に入りにくいのはMCTオイルですが、これは通販が手軽かと思います。
ダイエットコーヒーの効果はレプチンをハックして食欲を低下させ、ドカ食いを防ぐ、という点にあるわけですが、食欲の仕組みに関しては以下をご参考にどうぞ。
また、「ダイエット」に関しての記事一覧は以下です。
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