初出:2016/04/12 Vol.167 俺日記「スポンサーと記事」
改稿:2024/06/16
本日はスポンサーと記事の関係について触れていこう。
と、言いますと、いわゆる「提灯記事」とかですか? 「このサプリメントがイチオシ!」みたいな。
そういうクソみたいな記事ももちろんあるが、そうでなくても、お金出してるスポンサーに批判的な事は配慮を求められることがあるんだよね。
なんともわかりやすい「大人の事情」ですね・・・
まあ、ブッチして書く時もあるのだが、それはそれとして(笑)
やりすぎるとお仕事回してもらえなくなるのでは・・・
はっはっは。そういう時はとりあえず爆破してオチをつければ良いのである!
その露骨に怪しいスイッチは・・・押すなよ。フリじゃないぞ。押すな!
はっはっは。それ、そんなに気になるならこのスイッチは進呈しよう(ポイッ)
あわわわわわ・・・
それはどうせダミーで、時限式だしな!(BOMB!)
スポンサーを見て、世の中の裏面を見る
雑誌でも、メルマガでも、ウェブ記事でも。
その記事の中身を判断する時は、スポンサーを必ず確認するようにしましょう。
スポンサーを見ると、面白い側面が浮かび上がり、結果的に、世の中の裏面を垣間見ることができます。
今回はそんな、スポンサーと記事の関係の話をお送りします。
スポンサーへの配慮で記事に駄目を出される
とりあえずは、構造をわかりやすくするための例え話から。
とある男性誌からの依頼で、健康に関する記事の仕事を受けたとしましょう。
「タバコは絶対止めて、酒は控えて、三食自炊でしっかり肉も野菜も食べる。過度なストレスを避け、運動をして、睡眠をたっぷり取る」
ごく当たり前の事ですが、常日頃から言ってるように、健康の基本の話です。特に運動はきちんとしろ、サプリとか補助的なものは後、と、ことあるごとに申し上げています。
が、しかし、こうした内容も、スポンサー次第で駄目を出される事がままあるのです。
縛りが多いとまともな記事にならない
タバコ会社がスポンサーにいたら、「タバコは絶対止めろ」はNG。
見開きでブランデーの広告を載せてるから、酒に関する記述はもっと甘めに。
ファミレスやコンビニの広告もあるから、自炊を推薦するのもちょっと・・・
こんな感じで、スポンサーへの配慮を求められる事があるわけです。
例え話とは言いましたが、実際に似たような事例であーたらこーたら言われたことがある・・・というのは、まあ、生放送とか講演の話のタネにしたこともある通りでして。
割と誇張なくこういうことを言われますし、度が過ぎると、結果的には、ロクな内容が書けなくなります。自明の理ですね。
中には「提灯記事」もある
もちろん、全部が全部という訳ではありません。ありませんが、しかし、中にはよりヒドい場合もあります。
よくわからんゴミのようなサプリ会社が広告を出してたりすると、それを爆推しするように、という指示が入る事だってあります。
いわゆる「提灯記事」という奴。
故に、女性誌なんかで健康特集とかが、クソを煮詰めたような訳の分からんオカルトじみたものになったり、謎の商品やブームを爆推ししてたりと、カオスな現象が起こる訳です。
これは雑誌に限った話でもなく、ウェブにもスポンサーべったりのサプリ体験レポートみたいなアフィブログがあったりするのは、見た事がある方も多い事でしょう。
批判記事はスポンサーを見ること
また、特に批判記事の場合は、そのメディアとスポンサーをよくよく見てみると、本質が透けて見えます。
わかりやすい例がテレビ。
地上波のテレビでは「テレビを消せ」と「チャンネル変えて」は禁句中の禁句だそうですし、またYouTubeなどの動画サイトの名前を出すのも局によってはNGだったりします。
テレビ番組で「テレビを消せ」とは言えない
例えば、真夏に節電を訴えるテレビ番組がありますが、一般的なテレビは150Wくらいあるので、消費電力もすごいですが、その熱はひよこ電球3個分、数人の人が部屋にいるレベルでの温度上昇となるので、クーラーの効率も考えるとテレビ消せ・・・なわけですが、絶対に言えないですね(笑)
節電の話をするならテレビの電源を切るのが超効果的なわけですが、それにはテレビは触れられない・・・というわけです。
マスメディアにジャーナリズムは存在しない
同様に、大手新聞の記事なんてものは、記者クラブで発表されたものを書いているに過ぎず、逸脱した記事を載せると記者クラブから追い出されるので・・・と、ジャーナリズムとはなんなのかというレベルなのが、マスメディアというものです。
なので世の中の本質を見るには、この辺の事情を透かし見るのが大事です。
日の強く当たっている部分を通して、本体を透かして見る事で、当たらずとも遠からずな本心や弱点を知る事ができます。
著者紹介
作家、科学監修。「科学は楽しい!」を広めるため科学書分野で20年以上活動。著作「アリエナイ理科」シリーズ累計50万部突破。原作を務めるコミックス「科学はすべてを解決する!!」も50万部を超える。著作「アリエナクナイ科学ノ教科書」が第49回・星雲賞ノンフィクション部門を受賞。週刊少年ジャンプ連載「Dr.STONE」においては漫画/アニメ共に科学監修を担当。TV番組「世界一受けたい授業」「笑神様は突然に・・・」NHK「沼にハマってきいてみた」等に出演。ゲーム実況者集団「主役は我々だ!」と100万再生を超えるYouTube科学動画を多数共同製作。独自YouTubeチャンネル「科学はすべてを解決する!」チャンネル約30万登録やTwitterフォロワー16万人以上。教育系クリエイターとして注目されている。関連情報は https://twitter.com/reraku
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