初出:2019/08/20 Vol.342 おうちでお手軽!個人的おすすめカクテル:ジン編その2
ボトルが並んでるのは毎度の事だけど、今回は何の酒なの? 全体的に緑だけど・・・
あ、くられ先生。いえ、これらは全部ライムジュースですよ。加糖されていたり、ストレートだったり、濃縮還元だったり色々ありまして・・・
なるほどねー。普通の果汁ジュースでも、その辺、表記上の問題とか色々決まってるもんな。
そういうことです。以前、先生もストレートと濃縮還元と、その辺の記事を書かれていましたよね。
うむ。ライムジュースも例外ではない訳だな・・・しかし顔色悪いな。また二日酔いか?
ジンとライムジュースの組み合わせ試してたら飲み過ぎちゃったんですよ・・・コーディアルライムにちょっと塩して水で割った塩ライムジュースでも飲んで、大人しく寝ます・・・
ジンとライムとカクテル
どうも。Jokerです。家で飲むのに手頃なカクテルの話、第二十四回をお送りします。前回から引き続き、ジンで作るカクテルをご紹介しましょう。
ジンで作るカクテルは多種多様ですが、その中でもシンプルなのが、ジンとライムで作られるカクテルです。そのものズバリの「ジン・ライム」をはじめ、結構なバリエーションがあります。
お好みのジンとライム、それにちょっとした副原料があれば出来てしまうので、家で作るのにもオススメです。
ちなみに、ベースにするジンは前回もご紹介しましたが、一番無難なのは「ビーフィーター」でしょう。
とはいえ、この辺は好みです。私の好みは「タンカレー」ですし、ジェームズ・ボンドが飲んだ「ヴェスパー」は「ゴードンズ」が使われています。
さて、では、今回のカクテルの両輪のひとつ、まずはライムについての話をしましょう。
ライムジュースの種類
カクテルに使う柑橘類は、フレッシュなものを使う場合と、加工されたものを使う場合があります。
例えば普通のレモンとポッカレモンのようなものですが、今回紹介するジンのカクテルに使うライムの場合、一口に「ライムジュース」といっても、果実を搾ったフレッシュなライムや、それに準ずる(ポッカレモン的立ち位置の)無糖のライムジュースの他に、加糖された「コーディアルライム」という、甘みのあるタイプのライムジュースがあるのです。
加糖などの加工をされたライムジュースは、場合によってはライム果汁だけでなくレモン果汁が加わっていたり、メーカーによって風味や酸味、甘みなどがそれぞれ違います。
どのメーカーのものを使うのか、フレッシュなライムと併用するのか、そもそもジンの種類は・・・と、「ジンとライム」という組み合わせだけで、相当なバリエーションがあり、この辺もカクテルの深淵の一つです。
バーによってはその辺まできっちりこだわった一杯を出してくれたりするのも面白いところなのですが・・・それはそれとして。
とりあえず押さえておきたいポイントは「ライムジュースには甘いのもある」ということ。まったく甘みのない仕上がりになってしまった場合、加糖されたライムジュースを使うなり、砂糖やガムシロで調整するなり、家で飲む時は、自分の好みに合わせて調整すると良いでしょう。
ジン・ライムとギムレット
さて、相変わらずウンチクが長くて恐縮です。本題のカクテルの話と参りましょう。ジンとライムと言ったら何はともあれ「ジン・ライム」です。
ジンが3に対し、ライムジュースが1という分量で氷が入ったグラスに入れ、軽く混ぜてやって完成の極めてシンプルなカクテルです。カットライムを添えても良いでしょう。
私の場合、個人的な好みでは、ロックにしたジンにたっぷりめにフレッシュライムを搾り入れて飲む・・・みたいなジン・ライムが好みです。
が、しかし、もちろんそうなるとまったく甘みのない仕上がりになるので、好みで甘さを足しましょう。
なお、日本だと「ジン・ライム」で通っていますが、海外だと「ジン・アンド・ライム」と言わないと通じない場合もあるとか。
そして、このジン・ライムをシェイクで作ったものが「ギムレット」になります。使う技法が違うだけで違う名前のカクテルになるんだ・・・という例です。
ロックスタイルで出されたものの場合、のんびり飲みながら氷が溶けて加水されていくのを楽しむ・・・という事もありますが、水っぽくなる事もあり。
一方でシェイクで作られたカクテルは良く混ぜ合わされてカクテルグラスで出てくるので、氷が溶ける事による変化はないが、代わりにさっさと飲んでしまわないとぬるくなる、と。
それぞれ違いがあります。
また、ギムレットといえば、レイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」。作中のキーアイテムでもあります。007といい、ジンはハードボイルド小説に縁があるな。
ジン・リッキー
続いて紹介するのは「ジン・リッキー」というカクテル。標準レシピは、ジン45mlに対してライムを1/2個、そして炭酸水を適量です。
そう、乱暴な言い方をしてしまえば、フレッシュで作ったジン・ライムに炭酸水を注いだカクテルになります。
家で飲む場合、ちょっとジン・ライムだとアルコールがきつくなってきたな、みたいな時に、炭酸水を注いで作っても良い。例によって、ものすごくお行儀は悪いのですが(笑)。
きちんとした作り方は、氷を入れたグラスにジンを入れ、ライムを搾り入れた後に炭酸水を注いで軽く一混ぜする、という感じです。
ジン・トニックだとトニックウォーターが甘すぎる、なんていう人向けのカクテルですが、一方で、コーディアルライムをちょっと足してやるレシピもあるので、やはりこの辺は好き好きですね。
ちなみに「リッキー」というスタイルのカクテルは、蒸留酒にカットライムを落として、マドラーで果肉を潰しながら味を調整して飲むものになります。
なので、敢えてライムをほとんど潰さずに入れて出される事もあるので、お店で頼んだ場合は、味を見ながらライムを潰して加減してやると良いでしょう。
ただしその際、あんまりガシャガシャやってしまうと炭酸が抜けてしまうので、その点にはご注意を。
だいぶ長くなってきたので、今回はこの辺で・・・どうしよう、まだまだジンベースで紹介したいカクテルはあるので、気分次第でまだまだ続くかもしれません。
・・・このマドラー、可愛いな。
関連記事
前回のジンで作るカクテル、第一回はこちら
カクテルの連載の初回でも、ジンには少しだけ触れています。
ライムといえばブラジルの「カイピリーニャ」も。
パクチーで作るコーラでも、ライムは重要な役割を果たしています。
冒頭茶番、濃縮還元ジュースを美味しく改造する方法はくられ先生の記事があります。
カクテル記事一覧はこちら
宣伝
「アリエナイ理科ノ大事典」改訂版が発売されました!
大好評につき早くも第4刷!「アリエナイ理科ノ大事典2」、発売中です。
アリエナイ理科ポータル管理人にしてメルマガ編集、配信担当。
薬理凶室の裏方にいる四ツ目の悪魔。
https://twitter.com/JokerLunatic