初出:2019/04/16 Vol.324 おうちでお手軽!個人的おすすめカクテル:梅酒編
またでっかい瓶がたくさん並んでるね。これは梅酒?
ああ、先生。いや、ちょうど梅酒の話をするので、以前に漬けたものの整理でもと思いまして。
整理するだけならこんなずらずら引っ張り出さなくても良くない?(笑)
いや、熟成度合いで味わいも変わるので、やはり味見をですね。やっぱり必要なんですよ。味見は大事。
別に飲むなと言ってる訳ではないんだが・・・
あ、先生、これなんか梅シロップですよ。今回紹介するのはどれもノンアルコールでも美味しいんで、お一ついかがですか?
ありがとう。じゃあ、梅カルピスでも。
オーダーはいりまーす、梅カルピス一丁!
何で居酒屋風・・・もう酔っ払ってるだろ(笑)
梅酒の話
どうも。Jokerです。家で飲むのに手頃なお酒の話、第六回をお送りします。今回のテーマは「梅酒」です。
甘いお酒の中でも有名ですね。居酒屋のメニューとしても、梅酒ソーダや梅酒のロックなんかは定番中の定番でしょう。
また、家庭で製造するのにも手頃なので、時期となる六月頃には自家製の梅酒を毎年漬けているという方もいらっしゃると思います。
今回は、この梅酒にまつわるウンチクを一渡りした後に、カクテルをご紹介していこうかと思います。
市販の梅酒と自家製梅酒
さて、梅酒のカクテルをご紹介する前に、ちょっと、市販の梅酒と自家製の梅酒について、違いに触れていこうかと思います。味わいの違いもさることながら、そもそもアルコール度数が違うんです、実は。
市販の梅酒は、おおむねワインくらいのアルコール度数、8〜15%程度に抑えられているものが多いのです。ド定番の「チョーヤの梅酒」、あの緑色の瓶に梅と一緒に入ってるあれが14度で、ちょっと高めの度数のものでも、20度までいかないものばかりです。もちろん例外もあるかとは思いますが。
一方で、自家製の梅酒を漬ける場合、度数は高くなります。というのも、一般的に、梅酒などを漬けるためのホワイトリカーは、酒税法上、36%未満の甲類焼酎の事を指します。
そして、売られているホワイトリカーは、その大半が法律的にギリギリの35度のものが多いです。25度のものもありますが、果実を漬け込んでエキス分を抽出するのにはアルコール度数が高い方が有利なので、一般的に35度のものが使われます。
そしてまた、これも酒税法上の関係なのですが、実のところ、アルコール度数20%未満のアルコールで果実を漬け込んだ酒を造るのには免許がいります。勝手に作るとアウトなんですよ、実は。だから、自家製のサングリアも漬け込んで作るのはアウトなのです。
まあこの辺の小難しい話はともかくとして・・・こうして作られた自家製梅酒は、当然ながら市販の梅酒よりもずっと高いアルコール度数をしています。なので、自家製のものを飲む時に市販のものと同じ感覚でいるとヤバいので気を付けましょう(笑)
なんでこんな話をしたかというと、ベースにする梅酒の濃度によって、カクテルを作る際にも加減をして欲しい、ということです。紹介する標準レシピは、おおむね市販の14度くらいのものを想定している感じですので。
前置きが長くなりました。肝心のカクテルの話に移りましょう。
梅酒カクテル
梅酒スカッシュ
まずは「梅酒スカッシュ」から。とても簡単なカクテルで、材料は梅酒、炭酸水、レモンと、これだけです。
標準レシピは、氷を入れたグラスに、梅酒と炭酸水を半々くらい。カットレモンを搾り入れて落としましょう。使ってる梅酒の度数が高かったり、甘みが強い場合は炭酸水を多めに。
要するに梅酒ソーダのレモンスカッシュ風味です。ただの梅酒ソーダじゃないかと思われるかもしれませんが、レモンを搾り入れると甘みの中に爽やかな酸味が加わって、夏場にすっきり爽やかで美味しいものになります。
レモンを入れるレシピの度に言ってる気がしますが、これも、レモン風味の炭酸水ではなく、生のレモンを使いましょう。
梅酒モヒート
お次は「梅酒モヒート」。モヒートはラムの回でご紹介した通り、ラムとライムとミントを使ったカクテルな訳ですが、これを梅酒で作ったものです。
といっても、別に作り方は難しくないです。さっきの梅酒スカッシュのレシピのレモンをライムに変えて、ミントの葉を入れるだけ。
本来のモヒートのレシピっぽく、梅酒を入れる前にライムとミントを潰しても良い(梅酒が甘いので砂糖は不要)ですし、面倒ならミントを軽く手ではたいて香りを出してから入れても良いです。
これまたライムとミントが爽やかで、一本筋の通った味わいになります。やっぱり夏場におすすめ。
梅酒モーニ
「スプモーニ」と呼ばれる定番カクテルがあります。これは、リキュールのカンパリとグレープフルーツジュース、トニックウォーターをそれぞれ同量で割るのが標準レシピ。
「梅酒モーニ」は、カンパリの代わりに梅酒を使ったものになります。割合はやはり1:1:1が基本ですが、例によって厳密に守る必要はありません。グレープフルーツやトニックウォーターの酸味や苦みが加わった、梅香る素敵カクテルに早変わりです。
もともとのスプモーニはカンパリにも苦みがあるので、そちらに寄せるならややグレープフルーツジュースを増やしてやると良いでしょう。ちなみに、スプモーニはやはりバリエーションもいくつかあり、カンパリや今回の梅酒の代わりに、ライチリキュールの「ディタ」を使った「ディタ・スプモーニ」なんかも美味しいです。
元々のスプモーニも、このディタ・スプモーニも、材料さえあれば比較的簡単に作れるカクテルなので、あわせてオススメです。
トニックウォーターの苦みや炭酸が苦手だという方は、抜いてしまってもOK。ただのグレープフルーツ割にしても、それはそれで良いものです。
梅酒カルピス
さて、最後は「梅酒カルピス」です。これはもうご想像が付くかと思います。そうです。梅酒とカルピスを混ぜたものになります。
割合については、梅酒の濃さ、甘さ、そしてカルピスが原液なのか最初から薄められたものかにもよるので、お好みで良いと思います。カルピスソーダを使っても良いでしょう。
・・・と、そうは書いたものの、あまり甘いお酒が好きではないので、他のカクテルはともかく、この梅酒カルピスは自分では飲んだ事がありません(笑)。
甘いお酒が好きな友人曰く、カルピスが受け止めてくれるので、作り方にもよるけどそこまでべったりと甘くはなく、優しい甘さのあるカクテルになるとか。
こちらに関しては、甘い物好きな方にぜひ試して頂いて、感想が欲しいカクテルでもあります。
最後に
さて、今回は梅酒特集でした。最後のカクテルはともかく、他が酸味を利かせた感じなのは、単純に私の好みとなります。
なので、レモンやライムの量などは、私はたっぷり絞った方が好きですが、お好みで、香り付け程度に、というのでも良いと思います。
そして、未成年の方や体質的にお酒が飲めない方。今回ご紹介したカクテルレシピは、梅酒と同じくらい定番の、氷砂糖で漬け込んで作る梅シロップ、ノンアルコールの市販の梅ジュースなどを使っても美味しくできるはずです。
飲める方なら梅酒で、飲めない方やお子様には梅シロップで、夏の暑い盛りに梅スカッシュ、なんていうのも、贅沢なひとときになるかと。
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「梅酒モヒート」の原型となる「モヒート」はラムベースのカクテルです。
前回のビアカクテル記事。紹介し損ねましたが、梅酒のビール割「梅酒ビア」も美味しいです。
カクテル紹介シリーズの一覧はこちら
酒のうまさをドーピング
二日酔いとクスリの話
ノンアルコールビールの話
そういえば梅酒にもノンアルコール製品がありますね。
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