初出:2019/06/04 Vol.331 機械王の休日:テスラコイルの二次コイルをエポキシ接着剤で固める
今回はテスラコイルの二次コイルを固定するエポキシコーティングの話である!
代用品としてエポキシ接着剤を色々試したとお聞きしましたが・・・
硬化時間にさえ気を付ければまったく問題ない。そして完成したテスラコイルがこれだ!
おおー、このツヤツヤしたのがコーティングですね。
うむ。では早速、放電させてみようではないか!(バリバリバリバリ)
ちょっ・・・ぬああああ、体が裏返っちゃったじゃないですか。私じゃなきゃ死んでますよ!
死んでないんだからいいじゃん。
※くられ先生はPOKA先生の手によりまた異次元に飛ばされたとか・・・
機械王の休日、第50回をお送りします。早いものでこの連載ももう50回目、記念すべき今回は、テスラコイルの二次コイルのコーティングについてです。コーティングにも種類があるとのことですが、より低コストな方法をPOKA先生が探してきました。さっそく見ていきましょう。
高価なエポキシコートをよりお手軽に
皆さん、放電してますか?
放電と言えばテスラコイル、テスラコイルといえば高電圧です。テスラコイルの二次コイルは、超高電圧が発生するため、絶縁や電気的特性に気を使います。そのため、二次コイルを巻いた後は、解けないようにニスでコーティングするのが一般的です。
写真の、このテカっているのがコーティングですね。ニスの種類としてはウレタン系、アクリル系、エポキシ系などが知られています。この中でも、エポキシ系は皮膜硬度が高く、硬質皮膜が得られる最高品質のコーティングです。
しかし、その代わりに高価なのが難点・・・そこで今回は、汎用のエポキシ接着剤を塗って代用できないかどうか、試してみました。
エポキシ系接着剤の種類
一口にエポキシ系接着剤といっても種類があります。大別すると、高速硬化タイプと、低速硬化タイプの二つです。
一般的には、低速硬化タイプの方が化学的に安定しており、皮膜硬度も高いと言われていますが、テスラコイルに使う場合は、正直どちらでも良いと思います。
強いて言うなら、小さなコイルの場合は高速硬化、大きなコイルの場合は、作業時間を稼ぎたいので低速硬化とするのが良いでしょう。
製品比較
さて、そういう訳で、いくつかエポキシ接着剤を見繕って、実際に試してみました。それぞれの製品の特徴を見てみましょう。
スリーボンド高速硬化エポキシ
「スリーボンド高速硬化エポキシ」は高性能なエポキシ接着剤です。冬場でも固まるので、冬に作業をする場合は無難な選択と言えます。固まるのは速いため、直径10cm、長さ30cm程度から下のサイズのコイルが目安です。
コニシEセット
コニシの定番、「コニシEセット」は、ホームセンターにも在庫している場合が多い接着剤です。以前、アラルダイトスタンダードの代用品としてもご紹介した事がありますね。
コニシEセットは、固まるまでに半日以上の時間がかかります。このため、焦らずに作業ができるので安心です。
ダイソー
100円均一のダイソーにもエポキシ接着剤が売られていたので、試してみました。質感はスリーボンドのエポキシとほとんど同じなので、コスパも最強で実に手頃です。
また、12g入りの少量で売られているというのも、実は利点です。エポキシ接着剤には最適な混合比というものがあり、これがズレると、硬化不良や品位の低下が起きてしまいます。
使い切りの小分け売りであれば、全量を混ぜて使い切ってしまえばいいので、理想的な混合比が得られます。
総括
というわけで、いくつかの種類のエポキシ接着剤を使ってみましたが、硬化時間などに気を付ければ、十分にエポキシ系のニスの代用品として使えます。それは100均接着剤でも同様です。
テスラコイルはいいぞ、諸君!
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