初出:2019/07/23 Vol.338 機械王の休日:スプレー缶の気密パーツを取り出す
またどっさりとスプレー缶の山がありますね、POKA先生。
この前部屋ごとデトネーションしたばかりだというのに・・・これは二桁アパ○ンはいける量じゃね?
いや、これは既に使用済みの空の缶だ。もう爆発はしない。残念な事にな!
つまり既に爆発させた後だと・・・くられ先生の髪の毛が微妙にアフロってるのはそういう事なんですね。
ところで、もう空なら何でゴミに出さんの?
いや、これはこれで、意外と部品取りが出来てだな・・・ほら、ニッパーでここにちょっと切り込みを入れれば良い。量が多いので手伝ってくれ。
えーと、このあたりを切れb(BOMB!)
む・・・使い残しが紛れていたか。大当たりだな!
ま、前が見えねェ・・・
※必ず中身は空にしてから作業しましょう。本当に危険です。
機械王の休日、第57回をお送りします。すべてを素材を素材として見る、成分を確認する・・・こうした「科学の目」を持つと、物の見方、物事の捉え方が変化します。POKA先生から見ると、使い切って後は捨てるだけとなったスプレー缶にも、有用な部品があるとのこと。用途と具体的な取り出し方を解説していただきましょう。
スプレー缶に使われている有用な部品
たかがスプレー缶、されどスプレー缶、あれでなかなか「スプレーする」という仕組みのために、気密パーツが使われているのです。
スプレー缶の、押すとガスが噴き出す機構、この部分には、小さなスプリングと、Oリングとは少し違う、シート状のパッキンが使われています。これらのパーツは、逆止弁やキャノンの部品に、実は応用が可能なのです。
一般的なスプレー缶というと、塗料やエアダスター、パーツクリーナーなどでしょう。このうち、使い切った後に素材として取り扱う場合、塗料は避けた方が無難です。
というのもまあ、言うまでもなく、中に塗料が付いているので、後処理が大変になってしまうので、無理に使う必要はない、ということです。
他にも、ガスライターに注入して使うタイプのガス缶や、カセットガスなども、同様の構造をしています。これらも利用しやすいです。
では、分解の仕方を見ていきましょう。
スプレー缶は必ず使い切って空にする
使い終わったエアダスターを、とりあえず素材としてみます。
部品を取り出す作業をする前に、必ずスプレーを使い切りましょう。「分解は中身が完全に空になってから」が鉄則です。中身が少しでも残っていると、液ガスが出たり、パーツが吹き飛んだりと危険性が高いです。
また、念のために申し上げておきますが・・・微妙に残ったガスを抜く場合は、くれぐれも注意して作業を行いましょう。可燃性のガスを取り扱う場合、想像以上の惨事になる事があるのは、昨今の事故を見ればよくわかるかと思います。
ニッパーで切り取り作業を行う
分解作業にはニッパーを使います。
このように、ノズル周囲の金属板を、ニッパーで切り込みを入れて、丸めるようにして取り除いていきましょう。金属板のすぐ下にゴム製のパッキンがあるので、傷つけないように注意してください。
バネとゴムパッキンとノズルが取り出せる
有用な部品は、バネ、ゴムパッキン、ノズルです。
今回はこのように、小さなバネと平たいOリング状のパッキンが取り出せました。
注意して作業していたのでゴムパッキンは無事だったのですが、エアダスターのノズルはプラスチック製だったので、分解中に途中で折れてしまいました。残念。ちなみに、カセットガスのノズルは金属製なので、エアダスターのものよりは頑丈です。
とはいえ、もともとは廃品利用。工作の類をしていると、パーツクリーナーやエアダスターは消費量が多く、たくさんゴミとして出るものです。すぐに捨ててしまうのではなく、こうしてノズル先端のパーツを取り出して集めておけば、のちのち何かの工作に役立つ時が来るかもしれません。
廃品の利用も立派な工作だぞ、諸君!
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