初出:2019/08/06 Vol.340 機械王の休日:プラ板カッターを研いで再生する
(チュィィィィィン・・・ガリガリガリガリ)
この歯医者を思わせる音は・・・あ、POKA先生、何削ってるんですか? カッターの研ぎ直しはもう終わりましたよね?
ちょっと別件で修理が必要でな。
・・・・・・(お面だけが置かれている)
くられ先生の本体ですね。なんか煤けてますが、またですか?
うむ。本体以外は新鮮な挽肉になってしまったので現在培養中だ。
・・・良く見るとちょっと歯が欠けてますね。それでですか。
まー、適当にパテでも塗り込んで削ってやれば勝手に復活するだろう。
機械王の休日、第59回をお送りします。今回はなまってしまったプラ板カッターを研ぎ直して再生する話です。POKA先生といえばハイパワーな工作ですが、刃物研ぎにも一家言のあるお方。切れ味の落ちた道具は使っていても危ないですし、刃物研ぎは最低限覚えておいて損はないと思います。
ガラスエポキシの切断にプラ板カッター
プラ板カッターというものがあります。主としてアクリルや塩ビなどのプラチックを切断する専用工具です。
この工具、実は電子工作などで使うガラスエポキシの板に使うのも、比較的簡単に切断できるので便利なのですが、一つ問題点があります。
もともとの用途であるアクリルや塩ビの切断のみに使う分にはそうそう切れ味の落ちないプラ板カッターですが、なにぶんガラスエポキシは硬く、普通の鋼材を使っているプラ板カッターだとすぐに刃先が丸まってしまい、切れなくなってしまうのです。
用途外の使い方をしているため、ある程度は仕方ないでしょう。
しかし、このように替え刃はあるのですが、刃先がなまる度に都度、刃を交換するのは経済的ではありません。
よって、プラ板カッターを自分で研ぎ直して再生し、節約してみましょう。
プラ板カッターの再生・ルーターで荒削りする
まずは、ルーターの小径丸砥石で刃先をかぎ爪のように凹ませましょう。こうすることで、仕上げ砥石で削る量が減り、簡単に仕上げられるようになります。
このように加工できれば良いので、丸砥石ではなく、ダイヤモンドの丸ヤスリなどで加工しても構いません。
刃物で言う裏スキのような加工だと言えます。
油砥石で仕上げる
ルーターで削ったままでは刃先にバリが残っており、好ましい状態とは言えません。ルーターでの荒削りが終わったら、油砥石を使って仕上げましょう。
油砥石については、メスの再研磨でも触れましたね。天然のオイルストーンとしてはアーカンサスストーンが有名で、今回使っているのもそれになります。
油砥石は水砥石と違って、文字通り油を潤滑液として使って研ぐもの。水砥石に比べて油砥石は硬く、簡単に平面が狂わないのも特徴です。
丁寧にバリを取って仕上げてやれば作業は終わりです。慣れてしまえば大した作業ではなく、ちょっとの手間でプラ板カッターの刃は新品同様になります。
刃物を研ぐのは良いぞ、諸君!
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