初出:2018/07/17 Vol.285 機械王の休日:モノタロウ切削スプレーを試す
切削加工と切削剤
機械王の休日シリーズ、第四回をお届けします。今回は金属の切削加工に使うタッピングスプレーについての解説です。切削剤と呼ばれるこういった製品は、加工の仕上がりや用いる刃物の寿命に関わってきます。そうなると割高な製品を使う方が良いのかというと・・・では本編をどうぞ。
モノタロウ切削スプレー
MonotaROブランドで売られている、「タッピングスプレー」という製品名の安価な切削スプレーがあります。
この通り、ブランドによっては2000円近くするのに対し、モノタロウ製は500円以下と大変お買い得です。タップ加工以外にも、ドリル加工やリーマー加工に使えます。
手元にあったスプレーの謳い文句は「穴あけ切断加工の必需品」。要するに、刃物に大きな負荷がかかる重加工全般に使える便利な物ということです。
スプレー成分
極圧添加剤と呼ばれる物がこういった切削剤の主成分です。
ちょっと値の張るブランド物の切削剤でも、安価なモノタロウ製の切削剤でも、この極圧添加剤は塩素化パラフィンであり、いわゆる塩素系切削剤と呼ばれるものになります。なお、塩素が入っているため、人体には有害です。塩素が入っていない硫黄タイプの切削剤もありますが、やや割高で、硫黄特有の悪臭を放つ物が多いため、一般的なDIYの範疇で使うのなら、塩素化パラフィンタイプを選択した方が無難でしょう。
実際の使い方
使い方は簡単。ほんの少し刃物の先にスプレーするだけでOKです。
何もつけない場合だとギシギシ鳴ってうまくネジが切れない加工でも、一滴シュッとスプレーしてやれば、ストレスなく加工できます。仕上がりも抜群に良くなり、何より加工に使う刃物が長持ちします。実際にモノタロウ製のタッピングスプレーで試してみましたが、ステンレスも特に問題なく加工できたので、ブランド物と使い心地は何ら変わりませんでした。
必要であれば高額な物を使うのは致し方ないことですが、主成分に大した違いがなく、使い心地や効果も変わらないのであれば、それはもちろん、より安価な方が良いに決まっています。