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【機械王の休日】化学実験の必需品、漏斗を使い分ける

機械工作と科学装置
ブフナー漏斗の中身
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初出:2018/10/09 Vol.297 機械王の休日:化学実験の必需品、漏斗を使い分ける

機械王の休日、第16回をお送りします。早いもので今回で実に四ヶ月分。毎週欠かさずに原稿を頂けるのでありがたい限りです。さて今回は、化学に付きものの漏斗の使い分けについての解説となります。

化学実験の必須アイテムである漏斗

化学処理の最終段階の分離手段は、液体であれば分留、分液など。固形物であれば、沈殿、蒸発乾固などがあります。固形物の場合、沈殿させて液相から分離した後は、ろ過して回収するのが普通です。他の手段に比べて簡単そうに思えますが、これがなかなか奥が深いもので、ろ過に使う漏斗も改良されていろいろな種類があります。

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色々な漏斗

ガラス漏斗

ごくごく一般的な漏斗で、小学校の理科の実験でも使われるようなタイプです。何回か折ったろ紙を嵌めて使います。重力で液体が落ちるのを待つタイプなので細かい粒子の回収には向いていません。

ブフナー漏斗

ブフナー漏斗は減圧して使える漏斗で、ろ紙は折らずに平面のまま使います。たくさんの穴があって効率良くろ過ができ、減圧・・・つまり吸引して使うため、ろ過速度が速く、細かい粒子の回収にも向いているのが特徴です。

ただし、内部の洗浄がほぼ不可能である、という欠点もあります。ろ過して固形物を得るのには良いのですが、ろ過後の液体を得たい場合には注意が必要です。

桐山漏斗

有機化学の実験では一般的な桐山製作所、その看板商品が桐山漏斗です。ブフナー漏斗とは違い、穴ではなく溝でろ過速度を稼いでいるのが特徴。

溝は最終的に一つの穴に繋がっています。透明で汚れが視認しやすく、洗浄しやすい形状をしているので、内側を清潔に保てるのが良いところでしょう。ろ過後の液体が欲しい場合には便利です。

コーヒードリッパー

今さら説明不要のキッチンケミスト御用達アイテム、それはコーヒードリッパーです。コーヒー用のろ紙は目が粗く細かな粒子のろ過には向いていないため、ろ紙を二枚重ねにして粒子を逃がさないようにするような工夫が必要ですが、他にはない魅力があります。

何しろ、ダイソーやホームセンターで実にお手軽に入手できてしまうので、とにもかくにもコスパが良い。実験器具は何かと高く付く事も多いので、時にこうして安く上げるのも必要な事です。

また、ただ手軽なだけでなく、大量の液体をろ紙上で溜めながらろ過ができたり、ビーカーの上に普通に置けたりと便利なポイントも多いので、筆者も良く使っています。

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