初出:2018/12/11 Vol.306 機械王の休日:グラファイト製耐熱皿を試す
先生、耐熱素材って実際には何度くらいまで耐えられるんでしょうか?
実際に試す他あるまい!早速、核・・・
それ以上いけない
機械王の休日、第25回をお送りします。今回はグラファイト製の耐熱皿の話。一般的な素焼き皿と比較して、ガラスを加熱して溶かした時にどのような違いがあるのかを見ていきます。
グラファイト坩堝・熔解皿
グラファイト製の耐火用品というものがあります。かつてはやや高価であり、一般向けには小売りされていないものでした。しかし、最近ではまた事情が違ってきており、Amazonなどのネット通販で安価な製品を簡単に調達できるようになったのです。
耐火用品と一口にまとめましたが、グラファイト製の坩堝や蒸発皿など、色々と種類があります。目的に応じた製品を選択しましょう。全般的なオススメとしては、硬質な高純度タイプが良いです。
さて、それでは今回は、金属を加熱して熔解させるのに使う、熔解皿について、一般的な素焼き皿とグラファイト製の皿の使い勝手を比較してみましょう。
一般的な素焼き皿
チョコ皿と呼ばれる、一般的な素焼きの熔解皿があります。グラファイトに比べて安価なのがメリットですが、寿命が短いのが欠点。このため、ほぼ使い捨てとなります。
このチョコ皿、金属の熔解に使う分には問題ありません。しかし、ガラスを溶かすとなると話が変わってきます。実際に加熱して試してみましょう。
高音で融解したガラスは、無機物の溶解性が高いという特徴があります。このため、チョコ皿を溶かし込むようにして一体化してしまいました。こうなってしまうと、もう剥がす手段がありません。
グラファイト熔解皿
一方で、グラファイト製の熔解皿の場合はどうでしょうか?
実物はこんな感じです。先ほどと同様に、ガラスを置いて加熱してみましょう。
素焼きのチョコ皿と同様に、へばりつくようにしてガラスが融けました。しかしながら先ほどとは違って、ガラスが一体化してしまうような事はなく、簡単に剥がせます。熔解皿の丸みに沿って溶けて変形したガラスが画像から確認できますね。
グラファイト製の耐火用品はこのようにガラスにも使えます。また、グラファイトは柔らかく、簡単に機械加工ができます。この性質を利用すると、ガラスを流し込む型として使えるかもしれませんね。