初出:2018/12/25 Vol.308 機械王の休日:激安イグニッションコイルを試す
POKA先生、今回の記事の写真撮影は終わったんですよね?(なんか甘ったるい匂いがするな・・・)
うむ!やはり限界まで電圧を上げてスパークさせなければ!
ごめーん、エバポレータの調子が悪くてちょっとDMEが・・・
ではスイッチオン!
※部屋ごとデトネーションするのは止めましょう。爆死の危険があります。
機械王の休日、第27回をお送りします。今回は高電圧系の実験として、自動車の点火装置として使われる「イグニッションコイル」をバチバチさせてみよう、と、そういうお話です。
コスト意識も高いPOKA先生、今回は中華製の激安品を探してこられましたが、さて、結果はどうなるのでしょうか?本編をどうぞ。
中華製の激安イグニッションコイル
イグニッションコイルというものがあります。点火コイル、スパークコイルなどと呼ばれる事もあるこれは、自動車の点火装置の事。ものすごく大雑把に説明すると、車のエンジン内部で燃料を燃やす時、放電による火花で点火するための高電圧を作り出すための装置です。数万ボルトの高電圧を発生させる事ができるので、高電圧系の実験では定番のアイテムでもあります。
もちろん普通に調達すると結構なお値段になりますが、Amazonでは数百円の中華製激安イグニッションコイルが販売されています。
今回はこの激安イグニッションコイルの使い勝手を実際に試していこうかと思います。
スパーク開始電圧
さて、では早速、この中華製イグニッションコイルに、自動車の点火プラグを繋いでみましょう。
まずは12Vを断続的に入れてみますが、これだけでは放電が起こらないようです。20Vを入れた辺りからパチパチと放電が起こり始めます。自動車の点火装置と一口に言っても色々と種類があり、詳細はここでは触れませんが、CDI系の点火装置であれば有効だと言えます。
スパーク距離を伸ばす
小手調べが終わったところで、これからが楽しいところ。イグニッションコイルに供給する電圧を200Vまで上げてみましょう。
この通り、スパークは2cmほどに達しました。放電の音もパチパチとショボい感じでなく、パンパンと破裂音になってきます。さあ、さらなるパワーを、より高エネルギーを・・・と行きたいところですが、これ以上、放電距離を伸ばすと内部で絶縁破壊を起こしそう・・・つまりぶっ壊れてしまいそうなので、ここでストップです。
今回は激安のイグニッションコイルを試しましたが、こうした実験で使う分には、何の問題もなく使えました。先ほどもチラリと触れましたが、バッテリー電圧程度の低い電圧ではスパークプラグに放電を起こせなかったので、点火装置によってはうまくいかないと思います。CDI系の、一時供給電圧が数百ボルトの電源を使うのが良いでしょう。
この辺に興味を持ったのなら、自動車の点火装置の仕組みや構造、種類なんかを調べてみるというのも、面白いと思います。ちょっと検索をかければ色々と出てくるので。その上で、仕組みがこうなってるのだから原理は・・・という風に辿っていけば、少しは学校の勉強も楽しくなるんじゃないですかね?
いや、やはり実物をいじるのが一番楽しいな! パワーこそパワー!
宣伝
露骨な宣伝で恐縮ですが、「アリエナイ理科ノ大事典2」をよろしくお願いします!