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【機械王の休日】イソプロピルアルコールで洗浄スプレーを作る

機械工作と科学装置
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初出:2019/02/05 Vol.314 機械王の休日:イソプロピルアルコールで洗浄スプレーを作る

Joker
Joker

先生、それが今回作った洗浄スプレーですか。

POKA
POKA

うむ。こうして小分けにしておくと小さい基板の洗浄には便利なのだ

Joker
Joker

ところで、そこに並んでいるスプレーボトルの山は・・・

POKA
POKA

ああ、そっちはちょっとした頼まれごとの試作品。

Joker
Joker

その、ラベルを付けた方がいいのでは?そこでくられ先生がピクピクしてますよ?

POKA
POKA

どうやら眼鏡スプレーと間違えたようだな!大丈夫!被曝し続ければ耐性が付く!

くられ
くられ

ど、毒手・・・ディスカバリー連載・・・(ガクリ)

※人は神経ガスにさえ慣れるそうです。詳細はくられ先生のディスカバリー連載をご覧ください。

https://www.discoverychannel.jp/0000048334/

機械王の休日、第33回をお送りします。今回は、イソプロピルアルコールを使って、ちょっとした洗浄スプレーを作る話です。いわゆる普通の洗剤の話であれば、お掃除大好きくられ先生の出番ですが、この洗浄スプレーは基板の掃除などに使う、いわば工作向けのものとなります。さっそく見ていきましょう。

イソプロピルアルコールとは

イソプロピルアルコール(IPA)とは、エタノールより安価なアルコールで、一般的に使われている溶媒です。自動車の燃料タンクに入り込んだ水分を取り除くための「水抜き剤」の主成分でもあり、ホームセンターで安価に売られています。

この辺は、以前にこの連載で紹介した、ハンダ付けに便利なフラックスペンの自作記事でも使いました。

【機械王の休日】道具を作ろう!ハンダ付け用フラックスペンの自作
市販のフラックスは比較的濃い目であり、用途によっては薄くても良い場合があります。今回はハンダ付けに使うので、市販品を10倍程度に希釈するのが良いでしょう。また、刷毛ではなくペンにした方が何かと便利なので「フラックスペン」を自作してみます。

この時は希釈用の溶媒として使いましたが、IPAはレンズクリーナーなど、洗浄剤としても利用できます。それというのも、IPAは水と油の双方に親和性があり、油汚れを溶かせるからです。実際、水抜き剤として使う場合は、燃料タンク内に結露などで混入した水分を乳化して燃料に溶かし込んで、燃焼させて蒸発させて水分を除去します。

まあその辺の化学反応的な話はこの際置いておくとして、IPAは便利な洗浄スプレーとして使えるのです。とりあえず、ホームセンターで買ってきた水抜き剤の裏書きを見てみましょう。

見ての通り、水抜き剤の成分はほぼIPA。一応、防錆剤も含まれており、その成分は不明ですが、実用上、取り立てて悪影響はないようです。

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ダイソーの霧吹き

さて、スプレーボトルですが、手頃かつ手軽で安価なのは、ダイソーで売られているポリ製の小型の霧吹きが便利でしょう。ボトルの選定基準は、しっかりと気密が保たれている事・・・つまりきちんと密閉できるという点です。IPAは揮発性が高いので、気密が悪いとすぐに蒸発してなくなってしまいます。

では、さっそくこの霧吹きにIPAを入れましょう。といってもただ注ぐだけでよく、きっちりと密閉すればOKです。

なお、実際に半年ほど使ってみましたが、問題は起きていません。注意点としては、ポリ製・・・「ポリプロピレン」製のものを使うという事でしょうか。アクリル製だと、アルコールで溶けてしまう事があるので、避けた方が良いです。

フラックスの洗浄

さて、実際に基板を掃除するのに使ってみます。

以前のフラックスペンの制作では、フラックスを薄めるためにIPAを使いましたが、今回は洗浄が目的。余分なフラックスを溶かして落とすために使います。

まずはしゅっと一吹き。松脂ベースのフラックスは、スプレーして数分で溶けて浮いてきます。ここでさらに追加でスプレーして流してしまいましょう。

このほかにも、油に由来する汚れなどが落ちるので、工作のお供にひとつ、洗浄スプレーを作っておくと便利です。

さあ、基板を綺麗にしたら、今度は工作の時間だ! 準備は良いかね、諸君!

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