初出:2019/02/26 Vol.317 機械王の休日:分解不能な機器を解体する
あれこれ分解するのは私も子どもの頃から好きですが、POKA先生、今回はノコギリを使うんですね。
最近の小型の電化製品は接着されてるものばかりだからな!丁寧に破壊してやらないと中身が壊れる。
機械王の破壊の美学って奴ですか・・・ところで、くられ先生の姿が見えないんですが。
うむ。実験用の拘束具の出来を試していて、間違って固定されてしまったようでな。助けるために先ほど丁寧に破壊したところだ。
いや、そこに残骸が転がっているから、破壊したのはわかるんですが・・・あれはオイルですか血痕ですか?
中身が壊れないように丁寧に破壊したから、命は無事だ。死ななきゃ安い!
ああ、命以外は無事じゃないから、今ここにいないんですね・・・
機械王の休日、第36回をお送りします。今回は、小型の電化製品を分解するにはどうしたらいいのか、という話です。破壊して中身を取り出す場合、下手を打つとせっかくの部品まで壊してしまうことになりかねません。スマートに破壊してやる必要があります。
分解できない小型機器
最近の小型の電化製品は、分解することを想定しておらず、接着剤や溶着で永久固定されている物が多く見られます。
これはUSB充電器ですが、ネジなどでの固定ではないため、分解して中身を取り出すには破壊するほかありません。しかし、乱暴な手段を執ると中の機構まで破壊してしまいかねないので、極力、ダメージを少なくする方法を考えてみましょう。
薄刃のノコギリを使う
こういう時に役立つのが、薄刃のノコギリです。
カッターのブランド「オルファ」から、プラスチック用のノコギリが売られています。
刃の薄さは実に0.3mm。大変薄いので、接着部などの繋ぎ目に刃を入れやすく、簡単に固定部分を切断できます。また、塩ビ管の切断などにも重宝するので、一本持っておくと便利です。替え刃も売られています。
では早速、バラしていきましょう!
繋ぎ目を狙う
接着剤で固定されている繋ぎ目は、対象をよく観察すると結構簡単にわかります。
このUSB充電器の場合、繋ぎ目が若干浮いていたため、ノコギリの刃を入れやすかったです。こういう形状なら、1mmから2mmほど切り込みを入れればほとんどの場合貫通するので、様子を見ながらノコを入れていきましょう。
分離成功
中の基板へのダメージ0で切り取れました。
なお、こうして部品取りをする分には問題はないものの、基本的に差し込んで接着されるパーツ部分を切り取ってしまうため、再度組み付けることは不可能だと考えた方が良いでしょう。無理矢理固定したとしても、機械的な強度は期待できません。
破壊にも美学というものがあるぞ、諸君!
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今回分解に使ったのは、ダイソーで手に入るUSB充電器です。性能を検証する記事はこちら
また、カッターのブランド「オルファ」や「貝印(KAI)」からは、100均カッターをパワーアップする替え刃なども売られております。記事はこちら
コンセントタップからネオン電球を取り出した際も、今回同様、接着剤で固定されているタイプのものでした。その時はマイナスドライバーでこじるだけで開いていたので、ものによってアプローチを変えましょう。記事はこちらです。
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