初出:2019/04/16 Vol.324 機械王の休日:大径パイプを綺麗にカットする方法
〜〜〜〜〜♪(ギコギコ)
おや、POKA先生、今日も工作ですか。何かいろんな道具が並んでますね。
うむ。最近はいろいろと制作依頼があるのでな。モノにもよるが工具や治具は色々と必要になるのだ。
私からすると、用途がわからないものも多いんですが・・・例えばこれ、何なんですか?
ああ、それはトースカンといってな。今切ってる太いパイプのようなものの、切断位置をけがくのに使う。
なるほどー、ただの鈍器じゃないんですね。
鈍器というなら、やはり最低でも殺意のピコハンくらいでなければならん!
あの、見た目ピコピコハンマーなのにやたらと重いアレですか・・・
機械王の休日、第43回をお送りします。今回はPOKA先生のDIY講座で、テーマは「いかにして太いパイプを綺麗にカットするか」です。なんとなくで切断するとうまくいかない事も多いそうなので、工作畑の方はぜひご参考にどうぞ。
太いパイプの切断
DIYに手頃なのが、アクリルや塩ビで出来たパイプです。何かと便利なので、加工する機会も多いでしょう。
パイプと一口に言っても、直径に応じて切断方法が変わります。
直径が数cmであれば、これはパイプカッターの出番で、綺麗に切る事ができます。もう少し太い、直径10cm程度のパイプなら、これは旋盤で加工してやるのが良いでしょう。
今回取り上げるのは、それよりももっと太いパイプ・・・直径30cm以上、または長さが1m以上になるようなものの切断方法になります。これほどのサイズとなると、パイプカッターの能力を超えたり、旋盤に固定出来なかったりする場合があるのです。
こういう場合、どのように加工すれば良いのか。具体的にやり方をご説明しましょう。
切断位置をけがく
こうした太いパイプを何の準備もせずに勘で切ると、ほとんどの場合、斜めになってしまって綺麗には切れず、悲惨な事になります。
なので、まずは切断位置をけがきましょう。「けがき」とは、図面を描くような要領で、素材に傷を付けて線を引き、穴あけ位置や切断位置を決める作業の事。「罫書(描)き」と書きます。
太いパイプの切断位置のけがきには、トースカンという道具を使います。
こんな感じの道具で、高さを精度良く決められるのです。切りたい高さで軽く傷を付けます。
付けた傷に沿って切る
けがき終わったら、後はノコギリで、付けた傷に沿って切り込みを入れていくだけです。
このようにして、外周を少しずつ切り込んでいくイメージで切っていきます。慌てずに少しずつやっていくのがコツです。
アクリルや塩ビは、切断作業で発生する熱で溶けてしまって、切りにくくなる事もありますが、そのような場合は、シリコーンオイルスプレーを少し拭きかけてやると、作業効率が上がります。
たかだかパイプを切るだけ、といっても、精度を出すためにはこのように丁寧な作業が必要です。でないと、結局うまくいかずに二度手間、三度手間になってしまう事もあるので、気を付けて作業しましょう。
DIYはいいぞ、諸君!
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