初出:2019/05/14 Vol.328 機械王の休日:極細タングステン線を手に入れる
POKA先生、電球のフィラメントからタングステンの線を取り出すとの事ですが、何に使うんですか?
ガイガーミュラー管を自作しようと思ってな!
ええっと・・・ガイガーカウンターに使われる放射線測定用の部品でしたっけ。
うむ。まあ細かい理屈とか具体的な自作方法はともかくとして、出来上がったブツがこれだ!
測定実験用の機材、持ってきたよー
・・・な、何か昔ロスアラモスにあったっぽい球体ですね。本当に大丈夫?
かかっているのは命だけだから安いものだ!
えーと、マイナスドライバーを上下させて・・・あっ!(カッ)
※実験はくれぐれもご安全に! 青い光ダメゼッタイ!
機械王の休日、第47回をお送りします。今回は、放射線測定に使われるガイガーミュラー管の自作などに使える、極細のタングステン線の調達についてをお送りします。どんなものでも等しく素材として取り扱うPOKA先生、どうやら電球の中身のフィラメントに目を付けたようです。
電球のフィラメントに使われている極細タングステン
放射線の測定に使う、自作のガイガーミュラー管用の部品として細いタングステン線が欲しかったので、ちょっと調達してみました。
タングステン線そのものは、売るには売られていますが、諸々考えた結果、今回の用途に手頃だったのは白熱電球のフィラメント。一般的に、電球のフィラメントには、タングステンの細線が使われています。消費電力によって太さが変わり、消費電力の小さい電球では細く、消費電力の大きい電球では太くなります。
今回は極細のタングステン線が欲しかったので、消費電力が少ない小さな電球として知られているナツメ電球をセレクトしました。
ナツメ電球は5W程度の電力であり、3つで100円ほどと、大変コスパ良く調達できます。
では、早速、破壊して中身を取り出していきましょう。
電球を割る
電球を割って中身を取り出すにしても、これで案外、慎重にやらないといけません。ナツメ電球のタングステンフィラメントはまさに極細なので、乱暴にやると割った衝撃で切れてしまう事もあるからです。
ペンチを使って、電球を割ります。写真では撮影の都合上、外に出していますが、実際に割る時は破片が飛び散るので、袋の中で作業をすると安全です。
極細タングステン線
フィラメントはコイル上になっているので、引き延ばして使います。
細くてわかりづらいのですが、以前紹介したピンセットでつまんで伸ばしているのがわかるでしょうか。
ちなみにピンセットはこれを使っています。
ナツメ電球のフィラメントは、0.01mm程度のタングステン線が10cmほど使われています。
これを使ってガイガーミュラー管を作る訳ですが・・・それについては、またどこかで紹介することもあるかもしれません。
ガイガーカウンターはいいぞ、諸君!
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