初出:2019/05/21 Vol.329 機械王の休日:高強度ガラスクロステープ
へぇ〜、ガラス繊維で出来たテープなんてあるんですね、POKA先生。
うむ。ダクトテープなんかで良い場合もあるが、高温になるとそうもいかないので、中々に便利なのだ。
ところで、そこでピクピク痙攣してるくられ先生は一体・・・
ちょっと新型キャノンの実験をしていたのだが・・・
OK、わかりました。それでお面に大穴が開いてるんですね。
ま、前が見えねェ・・・
元から目はないじゃないですか・・・とりあえず応急処置を・・・
この場合はダクトテープでぐるぐる巻きにしておけば良いだろう!
機械王の休日、第48回をお送りします。今回は、ハードな環境下にも耐えられる、特殊な粘着テープの紹介です。POKA先生の工作は高熱を扱う事もあり、ちょっとした仮止めに使うテープであっても相応のものを使わなければならない事も、往々にしてあるとか。
さっそく解説していただきましょう。
強度、耐熱性に優れたガラスクロステープ
工作をするにあたり、何かと便利なのが粘着テープです。本格的に接合する前に仮止めをしたり、長いケーブル類がバラけてしまわないように固定したり、色々と出番があります。
工作の種類によっては、ガムテープや、もう少し強度があり、しかし手で切れて便利なダクトテープを使う事もあります。
しかし、ハードな環境で使う場合、これらのテープでは用が足りない事があります。仮止めに使うにしても、高温になる部分にうっかり使うと、溶けてしまってやっかいな事になり得るからです。
そんな時に便利なのが、高い強度を持ち、高温に耐えられる「ガラスクロステープ」です。ガラスと付いているように、ガラス繊維がクロス加工されたものを強化材として入れられた粘着テープで、普通の布の粘着テープと比べると、桁違いに高い強度と耐熱性をもっています。
入手はネット通販などでも可能です。
では、このガラスクロステープを利用するシーンをご紹介しましょう。
利用する場所
ガラスクロステープは耐熱性に優れ、200度程度でも利用可能なので、熱を持つ場所に使えるのが特徴です。また、これ以上の熱を発生する場合でも、粘着剤が駄目になるのがおそらく300度程度であり、ガラス繊維そのものはその程度なら余裕で耐えられます。
これはつまり、テープの規定以上の温度にさらされた場合でも、このように巻き付けるような施工をすれば、粘着剤がヘタっても崩れるような心配がない、ということです。
ガラス繊維で作られているだけあって大変高い強度のテープなので、かなり強く引っ張って巻いても、そうそう千切れたりはしません。
また、ガラスクロステープを使うと、仕上がりも美しくなります。
ガラスクロステープの仕上がり
先ほどの画像はコイルを束ねて巻いていた訳ですが、これを仕上げたものが以下となります。
一般の布粘着テープとは違い、高級感のある仕上がりとなりました。表面はスベスベですが、細かいガラス繊維が表面から飛び出ているようなので、取り扱う際は指を傷つけないように注意しましょう。
とりわけ、このように簡単には崩れないように、強く指で引っ張るような巻き方をすると、皮膚にガラス繊維が突き刺さってかゆくなります。手袋をして作業をした方が良いでしょう。
粘着テープひとつ取っても、有効に活用できるシーンは違ってくるものだぞ、諸君!
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