初出:2019/05/28 Vol.330 機械王の休日:USB機器検証用ツールを作る
POKA先生、この機材は何なんですか?
これは「安定化電源」と言ってだな。まあ検証のために安定して電気を取り出したい時に使うものだ。
ああ、電池とかだと電圧の融通が利かないですし、使っていけば下がっていきますもんね。
まあややこしい説明はこの際省く。興味があるなら電子工学を学べば良いぞ!
・・・・・・
ところで、そこで漫画版みたいに髪の毛を逆立てて硬直してるくられ先生は一体・・・
ああ、ちょっと高電圧での機材テストを頼んだのだが、うっかり感電してしまったようだな。
見事に時間止まる一撃を食らった感じですね・・・心臓動いてるのかな・・・
このDEATHガンで蘇生実験をしてみよう! 何、これで生き返れば儲けものだ!
※高電圧には気を付けましょう。いや、マジで。
機械王の休日、第49回をお送りします。今回は、POKA先生作の、USBから電源を取って動作するタイプの製品の検証用ツールの話をお送りします。
USB機器を何かの工作に流用するにしても、こうした検証というものは大事で、カタログスペックからは判断しにくい部分のチェックには有用だとのこと。早速見ていきましょう。
USBから電源を取る機器
USB端子から電源を頂いて動作する機器はたくさんあります。通信せず、あくまで単純な電源確保の手段としては、USBというものは結構便利であり、LEDやモーターを使ったものなど、様々な製品があります。
入手性も良い場合が多く、これらの機器を本来とは別の形で活用したり、中の部品を取って流用したりと、なかなか夢が広がっていきます。
さて、そうして工作に使うにせよ何にせよ、USBの電源を使う機器が、USB端子から実際にどの程度の電力を引っ張っているのかを確認するのは重要な事です。
実際に使う場合に、モバイルバッテリーから給電した場合など、過電流が流れていないかなど、安全性の確認にも繋がります。
そんな訳で、今回はUSB機器を検証するツールをサクっと作ってみました。
市販のUSBチャージャーを改造する
材料は、今回は単三アルカリ乾電池を利用するUSB電源にしましたが、ぶっちゃけるとUSBのコネクタがあれば何でもOKです。
こんな感じで、中の電子部品を取っ払って、電源供給部に配線を直結し、元通りに蓋を閉じれば完成。つまるところ、検証時に電源を供給する安定化電源と、USB機器を繋げるためのものなので、コネクタ部さえあれば良い訳です。
実際に使う場合は、外側に引き出した電線を安定化電源に繋いで、USBチャージャーのコネクタに検証したいUSB機器を繋ぐ形になります。
USB機器が消費する電力は、安定化電源の電流値から伺い知れます。ここで過電流が流れたりするのをチェックする訳で、異常な数字が出てたらヤバい訳です。
LEDライト
試しに、USB端子からの給電で動作するLEDライトを繋いでみました。
USB端子から供給される電圧は通常は5V。このため、安定化電源側で5Vにセットします。LEDライトのスイッチを入れると点灯させたところ、この時の電流は2.01Aとなりました。
このUSBライトは、つまり、最大で10Wほどパワーを消費することが確認できた、という事になります。
USB端子からは、通常は1Aしか供給されませんが、最近のモバイルバッテリーなどは、2A以上、供給可能なものも普通にあります。USB端子がメルトダウンしないように、適度なパワーを使うようにしましょう。
いざという時に事故を起こさないためにも、検証作業というのは大事なものだぞ、諸君!
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