初出:2018/09/11 Vol.293 精液を増やす薬
男性機能と更年期障害
女性は閉経というわかりやすい性的な加齢的変化がありますが、男性の場合は非常にゆっくりと進行するため知覚がしにくく、認知もあまりされていない現状があります。要するに気付きにくい訳ですが、過労やストレスで一気にダメージが来ると男性でも更年期障害が起きる事があります。
そこに、よくわからないサプリメントのCMがブチこまれて、マカがいいだの、エビオスを飲めばOKだのそういう話になってくるわけです。
以前、エビオスが精子を増やすという話の真偽を記事にもしました。
結論から言えば、そもそも不摂生をして不健康で栄養バランスが崩れているところに、栄養素の多いものを入れると必然的に生殖細胞も働き出して精子が増え、精液自体もその他の腺の活動もよくなって増えて元気になる・・・という、とても当たり前の話な訳です。
別にエビオスでなくても、大豆プロテインでも卵白でも良い、という話です。ただしエビオスには一緒に精子の生産に欠かせないミネラルも一緒に含んでいるので、それらが欠乏している人にはより強く効果が出るかも・・・ということは申し添えておきます。
また、マカもアルギニンを多く含むため、精子の材料が単純に供給されたことで、本来に戻ったといえる感じです。とはいえビタミンDとEを多めに取るとどうも増えるというのは精液の構成成分自体がこれらの補酵素を多く必要とすることから来ているようです。
近年の研究では精細管の精子支持細胞であるセルトリ細胞がただの繊維組織細胞に置き換わっていくことが分かっています。要するに精子自体を作る細胞が加齢とともに減ってくるというわけです。また同組織のライディッヒ細胞というテストステロン(男性ホルモン)を作る能力自体も減ってくることが知られています。
故に月並みな話となると、運動をして筋トレをすることで、テストステロンの分泌を促すか、テストステロン入りの薬剤なんかを使うしかありません。テストステロン剤としては国内ではグローミンという経皮吸収型のホルモン剤が売られています。
グローミン軟膏は以前、男性の更年期障害の治療にも良い、という話をしました。その辺は以下もご参考に。
ただし、記事でも触れられている通り、言われてみると確かにおかしい、最近旦那の様子がおかしい、などと感じる場合、薬局薬では根本解決にはならないので、医者に行きましょう。