初出:2013/04/23 Vol.13 因果関係
統計のウソ
よくWEBニュースなどでも統計データをもってきて、さも関連性があるかのように見せかけるものが数多くあるが、そういった統計データは、疑ってかかったほうがいい。
そもそも統計というのは詐術の1つとなりえるもので、グラフの改ざんや、データの改ざんといった原始的な騙しではなく様々な点を疑うべきである。
まず多くあるのは、調査対象の分母がおかしい(例えば、サプリメントのリピーター100人に満足度を調査すれば、リピート購入をしているくらいだから大半が満足と答えるに決まっている)というのも多くある。保険の満足度やコスメの満足度なんかは大半がこの手口。2年目3年目と愛用している人に「良いですか?」と調査をするのは馬鹿馬鹿しいのは言うまでもありませんね。
因果関係のない統計に価値はない
そして最近増えつつあるのが因果関係の無い統計。コーヒーに金をかける人はビジネスで成功しやすいのだの、寝具にお金をかけない人は腰痛に悩まされているだの一見それっぽく、調査対象も広く一見正しい統計データに見える。
しかしよく考えれば、このデータには因果関係がない。因果関係とか難しい気がするがなんてことはない。例えば、殺人事件の多くはパンないし米を食べた24時間以内に行われているというデータだって作れる。その統計だと殺人者の9割以上は該当するだろう。
そこから導き出される結果は、パンないし米を食べると殺人にいたる精神変容を及ぼす・・・というすごい話になる。つまりこれは、「殺人を犯していない」人のサンプルが入っていないためにこんな不思議なことになってしまうのですね。
話を戻すと、コーヒーに金をかけていない層、寝具にお金をかけている層といった具合に反対の調査をすべきであって、そのデータと併せて始めて、その統計データは見えてくるものがあると言えるわけです。
それっぽいグラフや9割が満足といった言葉を聞いたときは、この記事をちょっと思い出して「ちょっと待てよ・・・」と冷静に考えるようにしてみてはいかがでしょう?