初出:2014/01/21 Vol.52 若くして突然死の謎 その2
健康の三本柱:食事・睡眠・運動
あーなんか具合悪いなー・・・と思ったら、全身に力が入らなくなって、思考力もみるみる失われ、横になって休もうと思ったら死んでいた・・・。そうした突然死について今回は、じゃあどうすればいいんだよ! という話です。
食事・睡眠・運動
この3つで体は構成されています。食事は、食べた物が栄養になるから分かる、運動も運動すれば筋肉が付くし血流が良くなったりするから分かる、でも睡眠って何をしてるんでしょう?
不眠が何を招くか?
かつて人間の睡眠時間は実は不要なのでは? と研究された時代があり、不眠でどれだけ耐えれるか競い合った時代もあったようです。その実験結果から分かるのは、3日目あたりで意識のレベルが明らかに低下、判断力、思考力、計算力、あらゆるものが極めて低いレベルに低下。
そして5日目あたりからは夢なのか現実なのか分からない状態が続き、最終的に幻聴幻臭幻覚、幻のつくものは全部発動、その後はすべての被験者が十数時間の睡眠をとり、完全に元に戻るには数日以上かかるというものでした。
寿命の短いマウスを電気刺激で眠らないようにしたところ、2週間で死に至るという実験もあります。
睡眠は情報処理と肉体の回復時間
睡眠はまだ完全に解明されたわけではありませんが、寝ている間に情報処理の最適化を行っているのは間違いなさそうです。また運動神経が成長するのも睡眠中です。前日なんとか乗れた一輪車が次の日には、びっくりするほど乗れるようになっていた・・・といったかんじに似た感覚は誰しもあるでしょう。
単身外国に行って異国語に囲まれていても、数日でなんとなく分かるようになってくるのもまた、そうした脳の無意識下の情報処理の賜なのではないでしょうか。
また、睡眠中は臓器の再生の場でもあります。脳内では神経伝達物質の元が再生産され、次の日の情報伝達に備えられます。内臓も、消化酵素で傷ついた粘膜を再構築し、必要以上の活動をとめて、起きている間に起こる得るストレスに対する準備をします。
睡眠時間というのは次の日を快適に送るための回復時間であるわけです。そしておよそ六〜八時間程度の睡眠時間で人間は次の日に備えることができます。
故に、この睡眠の質が悪いと、次の日の生活の質が下がるわけです。なので1週間以上続く不眠や、過眠といった症状が出た場合、別にちょっと寝れないだけ・・・と考えず、悪化する前に、心療内科などの病院で治療を受けるべきなのです。
精神科や心療内科に通って、睡眠薬なんてものをもらうようになったら人間終わり
不眠やストレスなんてものは精神力が足りないだけ
そう考えて良いのは、森の中の原始の暮らしをしている場合だけです。少なくとも人工の灯りや、高速移動など、人類が未だ体験したことのない、超高密度情報社会に生きる以上、歪みは生じて当然なのです。
不眠がかすり傷の間に手を打っておくべきだった・・・と後悔するのは、大穴が空いてからなのです。
次回はどうやって睡眠時間を作るか・・・睡眠の質を上げるか・・・に迫りたいと思います。