初出:2013/05/28 Vol.18 水虫 その3
水虫パンデミックを防ぐ
さて、前々回から水虫の話をしておりますが、今回はすでに一生物かな・・・と諦めている人の話。もとい、そういった親御さん、おじいちゃん、おばあちゃんがいるという家庭も多いでしょう。
一家に一人罹患者がいると、遅かれ早かれ全員が感染者になります。そうしてその感染者は、公衆の場でさらに感染者を広げていく・・・のです。
慢性疾患の人がいたらそれは個人の問題ではなく家族の問題、社会の問題なのです。
医師の判断に従って薬を飲み続けましょう
水虫(白癬菌感染症)は小水泡(足の裏に小さく水疱状態にできる)、趾間型(指の間がじゅくじゅくと皮膚がむける)、角質増殖(角質の中にもぐりこんだ白癬菌の刺激で角質層が肥大化)、爪水虫(爪が産まれるエリアにまで進行し、爪の中にもぐりこみ、感染性の異常な爪が生える)といった感じで悪化していきます。薬剤を使わないと治りません。
現在はテルビナフィン製剤であるラミシール錠(ノバルティス ファーマ)、ないしはイトラコナゾール製剤であるイトリゾール(ヤンセンファーマ)を使います。
これらの薬は、いわば飲む水虫薬。全身の皮膚の末端に巡り、水虫菌を殺します。しかし水虫菌(白癬菌)はカビの仲間で、非常に丈夫な生き物。殺すための薬剤はそれなりに毒性があります。
いずれも肝機能にダメージのある薬なので、使用前に血液検査をし、医師の判断で投薬をしていきます。効果はかなり高く、半年ほどで正常な爪が生えてくるのですが、ここで投薬を勝手にやめると元の木阿弥です。必ず言われたとおり飲み続けます。
また、再感染しないために、シーツ、マット類は捨てれる物は捨て、スリッパなども一新します。さらに床を徹底的に拭き掃除して清潔に保つことが大切です。
他にも、カビ止めの薬を使ったり、さらに無茶な治療法も無くは無いのですが、それはアリエナイ理科の話であって、メルマガでするような話ではありません(笑)。あちらは強力ですが無保証です。
ともあれ、家族一団となって対策をすれば1〜2年で完全に水虫を根絶することができ、ついでに家も清潔になるので、これからの不衛生になりそうな季節、悪化するまえに水虫治療してみてはいかがでしょうか?