初出:2017/08/15 Vol.237 ビタミンC誘導体って何?
先生、化粧品のビタミンC誘導体って効果あるんですか?
普通に果物とか食べた方がいいよ!
ビタミンC誘導体とは何か?
化粧品。特に美白を謳う化粧品に含まれる成分に「ビタミンC誘導体」というものがあります。この物質は何なのでしょうか?
ビタミンCはアスコルビン酸という酸で、本体が酸化することで活性酸素を取り込んで打ち消すということから、美容成分として知られています。もっとも普通にビタミンCを果物などから取り込んだ方が良いので、塗るまでもありません。サプリメントに関しても、普通に原末を買った方が安上がり、というのも、あちこちの記事でご紹介しました。
美味しくビタミンCを摂る方法については、ジュースにしてしまうのが一番です。
しかしまあ、ここで切って捨ててしまってはそれで話が終わってしまうので、一応、ビタミンC誘導体というものが何なのか、今回は解説していきましょう。
そのままだと肌の奥に入らないので「誘導体」にしている
さて、ビタミンCは美容に良い、ということで、肌に塗ったらもっと効果があるんじゃないか・・・みたいなイメージを持たれるかもしれませんね。
一応、肌から浸透して、状態を良くする・・・ということもあるのですが、ビタミンC自体が酸なのと反応しやすい物体なので、そのまま塗っても肌の表面でいろいろな皮脂とか紫外線で反応して、肌の奥に入る前に効果が消えてしまいます。
そこで、分子構造をあれこれ変えてビタミンC誘導体としているわけです。
この誘導体というのは、化学の用語で、母体となる分子的な共通の骨格を持つけど、別の分子構造の物質ということを指し示すときに使います(厳密には違いますが)。
一般的なビタミンC誘導体はアスコルビン酸グルコシドが多いです。さらには油溶性ビタミンC誘導体(高い化粧品にドヤーって書かれてますね)とかはテトラヘキシルデカン酸アスコルビルという舌を噛みそうな名前で書くのもめんどくさい分子量の大きな物体になってます。
肌がきれいになるかどうかは先述の食べた方が早いという身も蓋もない話をしたのですが、ニキビ予防としてはアスコルビン酸誘導体は多少効果があるようです。ただし安い化粧品は肌のバランス自体を破壊しかねない配合のものもあり、ビタミンC誘導体が入っているからといって「オススメ」とも言えないわけです。
この辺は、肌の性質はそれぞれで、合う合わないは人によりけり、という話でもあります。ニキビのケアについては以下の記事をどうぞ。
また、スキンケアの話をするといつも自作化粧水の話をしますが、実際に安上がりで便利なので、本当におすすめです。詳細は以下。