初出:2013/07/02 Vol.23 若さはどこにあるのか? その5
この若さにまつわる連載も最終回ですね、先生。
うむ。最後は皆さんお待ちかねの外法な話、美容整形とドーピングだ!
いやあ、生き生きしてますね、先生。連載の途中で何度も死んでましたが・・・
今生きてるから問題なし! 科学はすべてを解決する!!
科学的アンチエイジング
科学的に見る若さの話、最終回をお送りします。ここまで、「若さ」とはなんぞや、という話を長々としてきました。
そして前回、運動の重要性をご紹介した訳ですが・・・そうはいっても、運動は長続きしないし、食事制限はしんどい訳です。
今回は締めとして、そこを科学の力でなんとかする、アンチエイジングのひとつの解決策としての、美容整形や医薬用の筋肉を付ける薬などの話をしょうと思います。
美容整形と薬物で若返り
美容整形、ドーピング。
こういうことを言い出すと、抵抗のある方もいらっしゃるでしょう。もう少しマイルドな手段はないのか、と思われるかもしれません。
しかし、どうしてこんな過激な結論になるのかというと、簡単な話、人間というのは単純な動機で動き、原則として怠惰だからです。
なので、ちょっとお金はかかるけど、強制的に美意識を持たせ、それが体質を振り返るきっかけになるのであれば、良いのではないでしょうか?
少なくとも、同じお金をかけるにしても、聞こえの良い宣伝ばかりで効果のないインチキサプリやニセ科学療法に無駄につぎ込むよりは、ずっとマシなはずです。
そして、別に芸能人さながら、老いを完全に否定するがごとく、もはや改造手術としか言えないような美容整形を繰り返せ、などと言っている訳でもないです。その人にとって必要な最小限で良い。
例えば二重まぶたにしたいのであれば、せいぜいが数万ほどですし、顔周りの、年齢特有の脂肪は、脂肪融解注射で溶かして消すことができます。
また、メテノロンメチルテストステロンといった、医薬用のホルモン剤は、軽い運動で一気に筋肉が育ちます。そして、筋肉によって皮膚が引っ張り直される事で、肌のキメは細かくなり、シルエットも美しくなります。たるんだ皮膚がピンと張られるイメージですね。若さが戻ってきます。
リスクはどの程度なのか
さて、そうは言ったものの、当然、整形しすぎると怖い顔になりますし、ホルモン剤は、取り返しの付かない副作用も多くあります。こうした事情もあるので、誰にでもオススメできるかというと、そういう訳にはいかないのです。
しかしながら、それが一体どういったものなのか、どの程度のリスクなのか、といった、本当に重要な情報がなかなか入手できないというのも現実です。
そういう意味で、「美容とアンチエイジング」について、初出当時からしばらくして同人誌としてまとめたのが「不完全美容指南」になります。現在は電子書籍として入手可能です。
もっとも、これについても、五年以上の時間が流れ、今となっては古い情報になってしまっています。最新情報を新たにまとめるかどうかは、反響次第でしょうか。
しかし、それだけの時間が過ぎたというのに、未だに、低周波電気刺激で筋肉が育つなどという、アリエナイ話が堂々と流れてくる訳で・・・まったく嘆かわしい限りです。
この手の電気刺激は、血流を良くする効果はあっても、筋肉が育つような効果はまったくありません。
仮にこれで筋肉が育つのであれば、接骨院や整形外科で行われている電気刺激マッサージを受けているご老人がたは、みんな揃ってムキムキになっているはずですが、そうではないでしょう。
なお、実際の医療現場で、寝たきり患者の筋肉の減少を防ぐ治療として、低周波電気刺激を行う事はあります。ありますが、この治療のメインは先ほど触れたメテノロンなどの薬剤です。
つまり、筋肉を増やす薬が効いているのであって、低周波電気刺激はあくまで血流を良くしているだけです。
騙されないようにしましょう。楽して筋肉を付けられるならわざわざドーピングの話などしません。
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